研究課題/領域番号 |
17K04529
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
北田 佳子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60574415)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 教師教育 / 教師の専門性 / 授業研究 / レッスンスタディ / ケアリング / 社会的公正 / 教師のエージェンシー |
研究成果の概要 |
本研究は、経済的・学力的困難を抱える子どもの支援を重視する「ケアリング・コミュニティとしての学校」の日米比較を通して、そこで育まれる教師の専門的力量を解明することを目的とする。研究の結果、調査校の教師たちは、「学び」と「ケア」の双方を中核とした「授業研究/レッスンスタディ」を通して、1)「ケアリング」概念の拡張:生活面や人間関係面のケアだけでなく、学問領域におけるケアを重視した実践、2)「社会的公正」視点の意識化:公正で質の高い教育を推進する責務を意識した実践、3)「教師のエージェンシー」概念の重視:新自由主義的な教育改革に対抗し得る主体性を重視した実践、を行っていることが明らかになった。
|
自由記述の分野 |
教師教育、授業研究
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内外において従来、経済的・学力的困難を抱える子どもたちの支援は主に生活/生徒指導や人間関係づくりの領域に限定され、学びの質を高める実践とは切り離した問題として扱われる傾向が強かった。それに対し、本研究の成果は、経済的・学力的困難を抱える子どもたちの支援には、学びの質の向上とケアリングの両方が必要不可欠であることを明らかにし、さらに「学び」と「ケア」を中核とした「授業研究/レッスンスタディ」を通して育まれる教師の専門的力量を、「ケアリング」「社会的公正」、「教師のエージェンシー」という3つの理論的視座から意味づけたことに学術的・社会的な意義がある。
|