研究課題/領域番号 |
17K04530
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小玉 重夫 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (40296760)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 政治的中立性 / 公共性 / シティズンシップ |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルスの感染によって当初予定をしていた調査や研究会の開催が延期を余儀なくされたため、前年度までの研究蓄積をまとめつつ、新たな課題設定を行う期間とした。特に、政治学者の山本圭氏との意見交換を通じて、構成的外部としての敵対性を学校に持ち込む存在が、ある種の教える存在としての教師の中にあり得るという知見が引き出された。それゆえ、常に構成的外部の存在を留保しつつ学校の中での関係性を組み替えていくときに、外部性を体現した存在が学校の中に居なければいけなり、それは教師の取り得る態度としてあるのではないかという点が確認された。これは、ガート・ビースタが『教えることの再発見』(東京大学出版会)で、「教える存在とは共同体の外部に居る人だ」という話をしているてんとも接続可能である。そうした意味において、非同一化を引き起こす、あるいは同一化をずらす指導者のあり方が、教師のあり方としても教育学的に引き取らなければならない重要なテーマであることが確認された。さらにそこから、政治的中立性に対して、単なる超越的な的存在であるたけではなく、対立や葛藤そのものを活性化させつつ、それを中断する存在としての教師のありようを追究する手がかりを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの感染によって当初予定をしていた調査や研究会の開催が延期を余儀なくされたが、前年度までの研究蓄積をまとめつつ、新たな課題設定を行う期間とすることで、一定の進捗を見ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染状況と見据えつつ、可能な研究会と調査活動を再開し、研究のまとめを行っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大によって当初予定していた調査や研究会が延期を余儀なくされたため、次年度使用額が発生した。
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