研究課題/領域番号 |
17K04545
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
相澤 伸幸 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20331259)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ニヒリズム / 宗教教育 / 道徳教育 / 教育哲学 |
研究実績の概要 |
本研究は、教育学におけるニヒリズムの受容能力の形成の実態、さらに今日の教育概念や形態がニヒリズムによってどのように変容する、あるいはしうるのかについて明らかにすることを目的とする。その目的を達成するために本研究は、(1)ニヒリズムを社会や生の基底や前提とした上で教育概念を再検討した上で捉え直し、ニヒリズムの受容能力であるニヒリスティック・ケイパビリティを社会的前提とする人間形成観の考察をし、(2)日本とドイツの教育におけるニヒリスティック・ケイパビリティ受容についての調査分析することで実践的な裏づけとしても考察する、以上の2つの解明をめざしている。 そこで、まず計画の1年目には、日本ではニヒリズムと教育の関係をこれまで追究してきたのは、主として宗教教育の分野であろうと考え、宗教教育と教育の関係についての研究に着手した。その過程において、実践的側面である学校での道徳教育についても考慮することで、より現実的な考察を進めた。具体的な内容としては、道徳教育に関する研究において宗教教育はどのように扱われてきたのか、これまでの先行研究を概観すると、3つの大きな傾向が見受けられた。そのうちの「宗教的情操」に着目することで、道徳科における宗教的教育の可能性について考察した。 以上のように研究を進めたことによって、編著書で1冊、全国誌において論文を1編、新聞記事1編、シンポジウム発表1編にまとめることができた。また並行して、海外の研究協力者と直接会って、次年度以降の計画についての協力をあらためて要請し、その方針についても確認するなど、次年度以降の計画についても準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
宗教教育に関する論文を執筆し、全国誌に掲載された。また、道徳教育についても編著書を出版し、成果の一端を社会に還元できたため。
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今後の研究の推進方策 |
日独の教育におけるニヒリスティック・ケイパビリティ受容についての調査について準備し、できれば2年目にドイツの学校教育について実地調査できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査の日程が先方と合わず、これにより出張の計画がいくつか先延ばしになってしまった。結果として次年度使用額が生じてしまったが、次年度では計画が修正できると考えている。
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