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2020 年度 実施状況報告書

ニヒリズムを基底とした教育観の変容の分析と再検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K04545
研究機関京都教育大学

研究代表者

相澤 伸幸  京都教育大学, 教育学部, 教授 (20331259)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード教育哲学 / ニヒリズム
研究実績の概要

4年間の研究を通して、現代教育学において、発達という観念の果たした役割は大きいものであるが、その一方で、修正も避けられないと考えるようになった。教育を推進する大きな目的として、これまで重要視されてきた「発達」はおそらく今後も推進力を維持し続けるであろう。ここに「持続可能性」という理念が加わりつつあることは周知の通りであるが、それは「発達」観念を揺るがすだけの影響は少ない。
しかし、2020年に世界を襲った新型コロナウィルスの影響等も考慮して考えると、その発達観に揺らぎが生じつつあるとも考えられる。これまで当たり前とされてきた状況が当たり前ではないという再認識こそが、ニヒリズムの1つの先行的兆候として捉えることも可能であり、こうした気づきを言語化していくことを2020年度の課題とした。
上記の課題に対する考察の一端を「ニヒリズムと論理」と題して『教育哲学研究』第122号にて紹介したが、これは従来の教育学を否定するアンチ・ペダゴジーではなく、問い直しである。加えて、論文「明治期の師範学校における倫理と修身の再構築 ―京都府(尋常)師範学校を参考にして―」も執筆し、近代の一つの源流を捉える研究も実施した。この論文は、査読を経て、研究学会誌に掲載された。
残念ながら、新型コロナウィルス拡大の影響により、国内外での発表や調査がすべて中止になり、活動が著しく制限されてしまったので、研究期間を延長することにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画にそった課題に対応し、論文にまとめたものが掲載されたため、おおむね順調に進展していると判断した。ただし新型コロナウィルス拡大の影響により、計画の遅れというよりも、国内外での発表や調査がすべて中止になるなど活動が著しく制限されてしまったので、研究期間を延長することにした。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルスの影響により、学会や研究会が中止になり、発表する機会が限られつつある。また予定していた出張ができなくなり、2019年度に予定していたドイツでの学校調査が中断している。研究期間を延長したことにより、今後の状況を注視しながら、できることから着手し、研究をまとめたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

令和元年度末から新型コロナウイルスの影響により、国内外での発表や調査がすべて中止になり、活動が著しく制限されてしまったことにより次年度使用額が生じてしまっていた。さらに令和2年度は、緊急事態宣言が発出されたことにより、まったく出張や調査などができなかったため、令和元年度や令和2年度の状況を改善する機会もなくなってしまった。補助事業期間を1年間延長したので、社会状況を注視しながら、計画を修正することでこの状況は改善できると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 「明治期の師範学校における倫理と修身の再構築 -京都府(尋常)師範学校を参考にして-」2021

    • 著者名/発表者名
      相澤 伸幸
    • 雑誌名

      『プロテウス-自然と形成-』

      巻: 20 ページ: 121-138

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「ニヒリズムと論理」2020

    • 著者名/発表者名
      相澤 伸幸
    • 雑誌名

      『教育哲学研究』

      巻: 122 ページ: 51-52

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公開日: 2021-12-27  

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