研究課題/領域番号 |
17K04549
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
川地 亜弥子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20411473)
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研究分担者 |
勅使河原 君江 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60298247)
赤木 和重 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70402675)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 意味深さの評価 / 生活綴方・作文教育 / 美術館教育 / 学習者の20年後 / 社会性の発達支援 / 自閉症スペクトラム障害 / パンデミック下の学校 / オーラシー |
研究実績の概要 |
日英における学ぶ人にとっての意味深さを重視した実践及びその評価の理論と実践に焦点をあてて分析し,どのような条件やはたらきかけの中で学ぶ人にとっての意味深さが生じ,またそれをその場に関わる大人がどのようにつかもうとしているのかの一端を明らかにすることを試みた。 本年度はシンポジウムの開催と最終報告書の刊行を中心に研究を遂行した。 最終報告書の第1部日本編では現代日本における小学校,障害がある青年たちとのボランタリーな学びの場,ミュージアムと多様な場での,子どもたちにとっての(そして関わる大人にとっての)意味深い学びが生まれている実践を取り上げた。なお,本研究遂行の過程でパンデミックの影響が学びの場に強くもたらされた。そのことは,子どもにとっての意味深さを重視する教育実践との葛藤をもたらした。一緒に学ぶ,遊ぶ,ふれあう,笑い合うといった,子どもたちが学校で当たり前にしてきたことが制限された。その中で,子どもにとっての学びの意味深さ,学びの機微を大事にする実践者は,子どもの声,保護者の声をつかみ,しっかり聴きとり,広げてきた実践に注目した論考も位置づけた。 第2部のイングランド編は,2017年の調査を中心に,その成果をまとめた。イングランドは,学校選択制,全国学力テストに起因する問題がかなり大きいが,調査に伺った各地域,各学校が,そうした問題に対抗するような手立てを講じていた。「子ども最優先」を大原則にする姿勢が明快であった。なお,本報告では,Primary Schoolは初等学校と訳した 補章では,院生・研究生の協力を得てEducational Progressivism, Cultural Encounters and Reform in Japan(2017)の序章,1章,2章の仮翻訳に取り組んだ経緯について収めた。
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