研究実績の概要 |
国際的な調査研究ディスコースから,教師の専門性形成の議論をめぐる科学的合理性のパラダイム転回を明示した。さらに教育領域の国際的調査研究が示す指標やスタンダード,ベンチマークをめぐるわが国での認識が,国際的な調査研究で示されている文脈から大きく乖離することを確認した。この要因を教育研究の方法論的展開を整理して特定するとともに,科学的合理性に基づく普遍的知見をめぐるわが国の認識の固定化と個別化の問題を指摘し,認識の再構築を図った。その具体的方法の1つとして,エビデンスをめぐる認識を再構築する必要性を確認し,エビデンスを構成する重要な要素に「対話性保証の機能」と「反証可能性」の存在を示し,対話性を保証するエビデンスの具体的事例を提示するとともに,エビデンスを対話ツールとして用いた下記にあげる教師教育(および教員養成)の教材を展開した。 (1)Yurita, M., Kagawa, N. & Oda, I. (2019). 「学校教育の組織における社会的・文化的に形成された性に基づく格差とその課題」『対話のためのエビデン ス』. National Institute for School Teachers and Staff Development (NITS). http://www.nits.go.jp/ (2)Yurita, M. (2019). 「教員志願者減少の時代を前に:対話のためのエビデンス」『優れた教員の量的確保に向けたわが国の課題と諸外国における施策と 根 拠』. NITS.
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