研究課題/領域番号 |
17K04559
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
村田 晋也 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 講師 (10580475)
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研究分担者 |
岸岡 洋介 京都外国語大学, 外国語学部, 講師 (00773235)
山内 一祥 佐賀大学, 全学教育機構, 講師 (90626516)
仲道 雅輝 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 講師 (90625279)
秦 敬治 岡山理科大学, 教育推進機構, 教授 (50444732)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | リーダーシップ / リフレクション / 学生の能力開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、自らの経験をリフレクションによって整理し学びに変えていくことが大学生のリーダーシップ養成にもたらす効果について調査を行い、その結果を公表すると共に、教材化を進めることを目的としている。 「学士力」や「社会人基礎力」等の定義にチームワークやコミュニケーション、リーダーシップ等のキーワードが含まれていることから明らかなように、学生らが大学在学中に“リーダーシップ”に関連する力を体得するよう期待されていることを受け、研究代表者・分担者らは平成24年度から今日まで、大学間連携共同教育推進事業「西日本から世界に翔たく異文化交流型リーダーシップ・プログラム(以下UNGLと略記)」の実施に携わってきた(平成24年度立ち上げ時には本研究の分担者(秦)が事業推進責任者。その後の異動に伴い、平成26年度半ばから本研究の代表者(村田)が事業推進責任者を務める)。同事業ではリフレクションを導入した研修プログラムを企画・運営し、これにより学生のリーダーシップに関する知識・スキル・態度の養成に取り組んでいる。興味深いことに、経済産業省も「社会人基礎力」の養成に際しリフレクションの必要性に言及しているが、本研究では特にリーダーシップの養成に焦点を当て、上述事業が実施するプログラムにおいて学生が自らの経験を整理し学びを得ていく際にリフレクションが及ぼす効果について調査を進めている。 平成30年度には、前年度に実施した予備的調査(上述UNGLが実施してきた研修プログラムにおいて蓄積してきたデータの集約と整理及び関連・先行文献のレビュー等によるプレ調査)による結果を踏まえ、研究代表者・分担者間で定期的な連絡・打ち合わせを行いつつ、概ね計画通り調査及び成果の公表を進めることができた(詳細は後述する)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度には前年度(平成29年度)に実施した予備的調査の結果を踏まえ、UNGLが主催する学生研修プログラムにおけるデータや知見の収集に取り組んだ。研究成果の精緻化を図るために、共同研究者間で協議の上、研究開始時の調査想定範囲の中から対象とするプログラムを絞り込んで調査を実施することとしたが、これにより概ね予定通りに研究活動を進めることができている。 具体的には、UNGLの学生研修「リーダーシップ・チャレンジin台湾(平成30年7月実施)」「学生リーダーズ・サマースクール(平成30年9月実施)」、「リーダーシップ・チャレンジinサイパン(平成31年2-3月実施)」、「学生リーダーズ・スプリングスクール(平成31年3月実施)」において、研修期間中の音声記録(学生が教職員のファシリテーションのもとで行うリフレクションの様子を音声データとして収録)や研修前後の設問調査(Web経由ないし質問紙によるアンケート調査)等を行い、データやノウハウを収集し、その整理・分析を行った。 2018年12月には、設問調査のうちリフレクションが自身のリーダーシップ養成に及ぼした影響を問う回答項目の内容整理・分類からその効果性に関して大きく5つのカテゴリーが抽出されたことについて学会報告を行い(於 大学教育学会2018年度課題研究集会)、研究成果の一部を公開・公表した。また、同会出席の有識者らからは今後の研究深化の手法・アイディア等に関するサジェスチョンを得た。 また、最終年度となる平成31年度(令和元年度)に於ける教材開発・作成について研究代表者・分担者間で協議し、その計画を策定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度(令和元年度)には、これまでの研究成果をもとに、本研究の課題・テーマであるリフレクションが学生のリーダーシップ養成にもたらす効果について調査を継続すると共に、学協会での報告を通じた分析結果の公表にあたる。また、それらの成果・結果を取り纏めた教材の開発・作成を行う。調査に際しては、これまでと同様、UNGLが実施する学生研修のうち国内プログラム(学生リーダーズ・サマースクール、同スプリングスクール)及び海外プログラム(リーダーシップ・チャレンジin台湾、同サイパン)に於けるデータ記録及びアンケートやインタビュー等による調査と、統計解析やテキストマイニング等を用いたデータの分析・確認・精査を継続的に行う。教材開発・作成については、実際に学生のリーダーシップ養成をサポートする教職員スタッフに有用なティップス集の作成、及び学生のリフレクションを促進するワークシート型教材やカード型教材の開発を行う計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の計画に基づき予算を執行したが、研究を進める中で既有機材を使用した調査により研究目的の達成が可能であると判断し、一部購入を取り止めたため。次年度使用額については、研究成果の公表方法の充実に用いる。
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