研究課題/領域番号 |
17K04564
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山田 美香 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90331610)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 台湾 / 総合活動 / 道徳教育 / マカオ / 中国 |
研究実績の概要 |
道徳教育に関わり、中国・台湾を中心に現状把握を進め、「総合活動」など他の領域に見られる道徳教育の在り方について研究を進めた。これまでの台湾の国民小中学の課程綱要(学習指導要領)と現在のものを比較し、日本でいう道徳教育がどのように行われているのかを丁寧に読み解いた。「総合活動」では単なる活動を越えた道徳的な行為も教えており、問題解決的な学びが重視されていた。日本と台湾では道徳教育の在り方が大きく異なり、台湾は教科(領域・科目)ではないが、日本では「特別の教科化」としている。台湾では道徳教育が教科でないことから、道徳教育の本質が以前とは全く異なり、学校教育全体において子どもたちが道徳を学び合う環境となっている。ほかに、今年度は、子どもたちが学校活動において主体的に道徳教育を学ぶことについて日本・中国・台湾の状況を論じた。学校で道徳教育を教えるということは、時代や背景によって何を学ぶのかが大きく異なり、子どもたちがその時代や背景に影響を受けることになる。子どもが主体的に道徳を学ぶことについては、今後さらに研究が必要だと考える。また、マカオはゲーミング産業で有名であるが、ゲーミング産業が多い環境で子どもたちがどのように育っているのか、子どもたちの価値観についても研究した。他に、問題行動を起こす生徒に関わり、生徒を取り巻く環境から薬物防止の在り方について「支援」を中心に考察した。これらのことから、今年度は、どの国・地域においても道徳教育が幅広い領域で必要とされている点を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍であるため現地調査は難しく資料収集やインタビューがなかなかできなかったことから、これまで資料収集をしたものをまとめて研究報告をした。
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今後の研究の推進方策 |
本来だったら今年度までの研究であるが、今年度までコロナ禍で調査等ができなかったことから、研究期間を1年延長した。来年度は可能であれば1、2回現地で調査し、最終的なまとめをしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、コロナ禍で現地調査ができなかったため旅費の使用がなかった。次年度は現地調査を行いたい。
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