研究課題/領域番号 |
17K04565
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
飯吉 弘子 大阪市立大学, 大学教育研究センター, 教授 (00398413)
|
研究分担者 |
西垣 順子 大阪市立大学, 大学教育研究センター, 准教授 (80345769)
平 知宏 大阪市立大学, 大学教育研究センター, 特任講師 (80595687)
深野 政之 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (40552758)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 大学教養教育システム構築 / 学びの協働体 / カリキュラム開発 / 大学授業開発 / 学修支援 / 院生TA / 学士課程学生 / 大学教員 |
研究実績の概要 |
本研究では、「学びの協働体」としての大学における教養教育システム構築に向けて、A【実践的開発研究】を、3層の実践フィールド(①個別授業の開発研究/②個別授業と連携した学修支援システムの開発研究/③教養教育カリキュラム・プログラムの開発研究)において実施し、それらの実践のB【成果検証研究】を、「学びの協働体」の構成員である3者(④学士課程学生/⑤大学院生/⑥教員)それぞれに対して行う。このB【成果検証研究】は、1)意識調査(間接評価分析)、2)成績評価(直接評価)指標分析の形で進める(ただし、2)は④学士課程学生に対してのみ実施する)。 2年目の2019年度は、A・B全ての先行事例の整理・研究と国内他大学事例の収集のために他大学訪問・ヒアリング調査や学会での事例収集等を継続した。 加えて、A実践的開発研究の①②の研究では、昨年度設計・準備を行った実践の工夫の実践と検証を始め、さらなる実践の工夫を検討した。A-①個別授業開発研究では、本研究メンバーが担当する学士・大学院課程の全学共通教育科目授業実践で、従来からの工夫や取組も継続実践し検証しつつ、多様で自律的な他者との学び合いの有効な取り入れ方を実践しながら検討し、さらに次年度以降の教育実践・学修実践の工夫も検討した。A-②個別授業と連携した学生支援システム開発研究では、研究代表者と研究分担者が今年度から始めた2大学間連携の同時サテライト開講授業につき、両担当者と研究代表者の所属大学の学修支援推進室とで連携を行いつつ実践し、実践のあり方の検証と次年度の実践に向けた改善の検討を始めた。学修支援推進室TA/SAプログラムの開発検討も行った。 B成果検証研究のためには、B―④学士課程学生の学生や⑤院生TAへの量的・質的調査を行った。授業実践での学生の学修の直接評価指標データの蓄積、およびB-⑥昨年度実施した教員意識調査の分析も行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載したとおり、当初の初年度研究実施予定の通りに概ね順調に研究が進んでおり、昨年度から継続している先行研究や他大学の実践状況調査に加え、学生調査・院生TA調査、昨年度実施した教員の意識調査結果の分析や授業開発研究や学修支援開発を初めとして、各種調査の実施・分析・実践研究開発を予定通り概ね滞りなく進めることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
3年目には、A-①個別授業実践研究での更なる工夫や新しい取組設計と、A-②授業連携型学修支援実践研究での事例収集や支援スキームの設計を、継続して進めるとともに、設計した工夫・取組・スキームにもとづき、それらA-①と②の実践トライアルも積極的に進める。それらの実践成果を踏まえつつ、大学全体のA-③教養教育カリキュラム・プログラムの設計開発や改善案の策定を行った上でその実践を進め、B成果検証結果も踏まえて更なる改善や試行錯誤を行う。B-④学士課程学生の1)意識調査(間接指標分析)については、初年次学生調査および上級年次学生調査の分析を引き続き行う。 B-④学士課程学生には、個別授業実践研究成果を測る2)直接評価指標(成績評価)の収集・蓄積を3~4 年目にも随時行いつつデータ分析を行い、その結果をA-①個別授業実践研究にもフィードバックし、更なる授業実践開発研究を進める。B-⑤大学院生の1)意識調査は、今年度に設計を始めたものを、3 年目に設計確定・実施分析を行い、結果を4 年目のA実践研究に活かす。A-②の学修支援実践・開発の中でのTA実践のあり方やTA自身の学びについても今年度実施済みのTA/SA向け量的・質的調査結果の分析を行う。 B-⑥1) 教員意識調査は、初年度に実施し2年目に分析を行った結果から取組事例の状況や支援ニーズの分析を深め、A-②の実践研究に活かした上で、4 年目には、授業連携支援スキームへの協力教員対象の意識調査を実施して、A実践研究の成果・効果を検証するとともに、学びの協働体における教員自身の学びや気づき(含、FD にも通ずる能力資質の向上)も調査する。 4年目には、上述のAB全体の⑦総合的研究・考察を行い、学びの協働体としての教養教育システム構築に関する具体的実践提案、学びの協働体における教育・学修の効果や可能性の提示を行うことを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は、海外の他大学訪問調査における事例収集のための旅費等を計上していたが、同海外調査を次年度(平成31年度・令和1年度)に実施することに変更したため、旅費を次年度に持ち越すこととなり、その分を繰り越して、来年度の米国ミシガン大学での訪問調査や研究情報交換および米国で開催予定の学会(AAC&Uの年次大会)参加のための旅費および参加費として使用する予定である。
|