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2017 年度 実施状況報告書

漢学教育を中心とする江戸中期藩校教育の展開―湯島聖堂の廟学制の伝播を軸として―

研究課題

研究課題/領域番号 17K04575
研究機関千葉商科大学

研究代表者

朱 全安  千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (20266183)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード教育史 / 文化史
研究実績の概要

近世日本の幕藩教育制度は、江戸後期、湯島聖堂を幕府直轄化した昌平坂学問所の設立をもって確立したとされるが、実は江戸中期、五代将軍綱吉による湯島聖堂の創設を契機として、諸藩が藩校を設立し、武家社会に漢学教育が普及したことにより、実質的に形成されていた。
本研究の目的は、江戸中期に急増した藩校の設立と湯島聖堂との関連性を、湯島聖堂の廟学制の伝播を軸として解明することを通じ、漢学教育を中心に据える藩校の教育が、いかに展開されたかを明らかにすることである。本研究は、湯島聖堂をモデルとして、諸大名が藩士の人材養成のために設立した諸藩校の漢学教育を考察の対象とし、国内外の文書館・図書館等を訪問し、湯島聖堂創設の影響を受けて設立された諸藩校の漢学教育に関する一次史料を調査し、併せて、日中両国の漢学教育関係文献を収集・分析し、文献史料・図像史料等を駆使し、武家社会における漢学教育の普及という視点から、藩校教育の実態を多元的に究明するものである。
本年度は、江戸中期、湯島聖堂創設の影響を受けて設立された諸藩校が取り入れた廟学制と、それらのモデルとされた中国教育機関の廟学制とを比較研究するために、日中両国の関係史料の調査収集を行い、武家社会における漢学教育の普及という視点から、江戸中期藩校漢学教育の目的・内容・方法・背景について考察を進め、学術論文・学会発表等を通じて、研究成果を国内外において発信した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実施計画に基づき、現地調査を実施し、関係史料を収集し、漢学教育を中心とする江戸中期藩校教育の展開について考察を進め、学術論文・学会発表等を通じて、研究成果を国内外において発信した。
したがって、江戸中期に急増した藩校の設立と湯島聖堂との関連性を、廟学制の伝播を軸として解明することを通じて、漢学教育を中心に据える藩校教育がいかに展開されたかを明らかにするという本研究の目的の達成は、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

本年度の研究を通して得られた研究成果を基礎として、主要な藩校の漢学教育関係史料の調査収集を更に進めると同時に、漢学教育を中心とする江戸中期藩校教育について考察を更に進め、逐次研究成果を社会・国民に伝達する。
具体的には、国内外の文書館・図書館等を訪問し、江戸中期藩校教育に関する一次史料の調査をし、併せて、日中両国の漢学教育に関する文献を収集・分析し、学術論文・学会発表等を通じて、研究成果を国内外に発信する。

次年度使用額が生じた理由

本年度に計画された現地調査の一部が実施できなかったため、次年度繰越使用額が生じた。
次年度に計画されている現地調査に加えて、本年度実施できなかった現地調査を実施し、藩校教育関係史料の調査収集を行い、漢学教育を中心とする江戸中期藩校教育について考察をまとめ、研究成果を社会・国民に伝達する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The Expansion of Bakuhan Civil Education Policies in the Mid-Edo Period: The Case of Hagi Domain2017

    • 著者名/発表者名
      朱 全安
    • 雑誌名

      千葉商大紀要

      巻: 55(1) ページ: 33~46

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 従萩藩校的創建看漢学在藩士教育中的功用2017

    • 著者名/発表者名
      朱 全安
    • 学会等名
      北京大学第一届古典学国際研討会
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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