本研究では,コミュニティ・オーガナイジングの手法に基づき,自己利益に立脚した就労支援の在り方を見出した。キャリア形成の目標は,個々のニーズと社会的ニーズをそれぞれから定位するのではなく,それぞれが置かれた状況において生きにくいと感じていることから見出される共通の自己利益がキャリア形成の目標となりうることを明らかにした。 そしたまた,それに基づく支援では,生得的な能力で把握可能な「小さな」社会との接合点を探し,その先に「大きな」社会との接点を見出していくことが求められる「社会連繋モデル」に基づく支援が必要なことを明らかにした。
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