研究課題/領域番号 |
17K04589
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
山田 綾 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (50174701)
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研究分担者 |
瓦林 亜希子 都留文科大学, 教養学部, 准教授 (10780249)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フレネ教育 / ビヤンヴェイヤンス / 社会に開かれた教育課程 / 生活教育 / 対話的実践 / 主体と共同推敲 / カリキュラム・マネジメント / 問題解決的学習過程 |
研究実績の概要 |
今年度も,フランスのフレネ中等教育実験クラスの視察・検討を行った。 一つは,世界最初の中等実験クラスがあるCLEFである(3度目の訪問)。今回は,主に以下を行った。①各アトリエでトリアーゼ(3週間で完成させるプロジェクト)が実施されており,実施状況や中間発表を参観・記録した。②教員議会の出席。生徒の要望により実施されたトリアーゼの検討や作業表の改革等が話し合われていた。③現役生徒・卒業生とその保護者,教員(約30名)の会を開催し,フレネ教育の意味について語り合った。 もう一つは,ロンシャン中学校(マルセイユ)フレネ実験クラスである。これは,CLEFで地歴を教えていた教師エレーヌ・カサビアンカ氏が同僚と2017年度より1クラスで実施している。主に以下を行った。①地歴・数学・仏語・英語の授業を参観・記録した。②地歴・数学・仏語・英語の教師にインタビューを行った。③フレネ実験クラスの研究会議(有志)に出席した。フランスでは,打ち合わせや会議の時間も勤務時間内に組まれるが,時間が確保できず土曜日に有志で会議を持ち,フレネ実験クラスの課題について議論している。週1回のクラス会議の時間が確保できていない問題と共に,生徒の意見交流を深める,また生徒自治を育てるという課題について一緒に議論した。④フレネ実験クラスの生徒との会を開催し(15名参加),生徒の質問に答えるとともにフレネ教育について意見を聞いた。 前者は11年目,後者は3年目を迎え,教員が子どもの意見や実践検討により取り組みを絶えず見直しながら実施していること,生徒・教員がフレネ教育の意味について確認する場がつくられていること(前者は卒業生とその保護者も含め)が重要と考えられた。 今年度は,共同研究者の瓦林亜希子が「きのくに子どもの村小中学校」と「きのくに国際高等専修学校」(和歌山)を訪問し実践参観や聞き取りを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本のオルタナティブ・スクールの視察と検討を2月末から3月に入れていたが,コロナ禍のために実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
フランスで試みられている,二つのフレネ中等教育実験クラスの実践記録の整理と分析を進め,その意味と課題について,明らかにする。 他方で,日本のオルタナティブ・スクールや,あるいは生活綴り方実践の流れを汲んで実践を試みている中等実践を収集し,上記と比較しながら実践検討を深め,対話の意義と実践課題について明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
集中して2月末から3月に日本のオルタナティブ学校やプロジェクト学習あるいは対話実践に取り組んでいるクラスの視察を行う予定であったが,中止になった。また,次年度に再度フランスのフレネ中等実験クラスの視察を実施する必要があり,そのための旅費として必要な額を残したためである。
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