研究成果の概要 |
本研究では新教育運動に関する二項対立的歴史編纂を問う観点から、イギリス新教育運動家でケンブリッジ女子教員養成カレッジ校長のヒューズ(Hughes, E.P.) の女子教育論と教授法、公立基礎学校校長ジョンソン(Finlay-Johnson, H.)の学校劇論を取り上げ、女子・女性教育に関する言説をジェンダーの枠組みに位置づけ、そこに安井てつのトランスナショナル及びトランスカルチュラルな思想を投入し、ズレ・相互補完関係を考察した。彼女らの新しい教育技法・各科教授法は進歩的で斬新であったが、女性としての権利意識や階級・社会批判を欠いた家父長的な女子・女性教育論であり、時代的制約を内包している。
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