研究課題/領域番号 |
17K04598
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
朴 槿英 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (90435404)
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研究分担者 |
關 成之 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (50449378)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | テクニカル英語コミュニケーション / 理工学系プレゼンテーション / グループディベート / シラバス改善 / 音声データ比較分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、理工学系学生の国際学会等における英語プレゼンテーションおよびディベート能力の向上のためのシラバス改善と、より的確で客観性の高いコミュニケーション能力の評価分析法のモデルを提示することを目的とした。そして、国際競争力の高いテクニカルリーダー育成のために新たなテクニカル英語コミュニケーション教育とその評価法のモデル化を目指して、コミュニケーション能力に対する評価基準の精密度を高めるための工夫を行った。 当初の研究実施計画に従って、平成29年度の研究活動においてはテクニカル英語コミュニケーション能力の向上および持続可能型社会に向けたグローバルマインドの育成のため、英語プレゼンテーションおよびグループディベートを中心とするシラバス改善とその評価を行った。評価データの処理と分析、英語シラバス改善と評価に準じて、英語コミュニケーション能力向上に関する評価、アンケートの調査分析、ディベート教授法の評価を行った。 理工学系プレゼンテーション評価の詳細な方法としては、欧米理工学系大学等で用いられている評価シートを比較検討した上で、Rice University(米国)の The Cain Project in Engineering and Professional Communication の4分野(Content, Delivery, Visuals, Q&A)の37項目評価基準を採用した。 評価の客観性や正確さを容易に比較するため、音声データ分析法をプレゼンテーションのDelivery評価に加えた。音声データの処理には、音声分析ソフトPraatを用いて、低周波から順に第1フォルマントおよび第2、3フォルマントについてプロットした。音声データの比較分析結果、アンケート調査結果はプレゼンテーション評価と研究結果は成果については英語教育学会等において研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度研究計画に従って、ワークショップにおける英語プレゼンテーション評価の公平性を高めるため、Content、Delivery、Visuals、Q&Aの4分野の37項目評価基準を採用し、ネイティブ2名、準ネイティブ4名の計6人で評価を行った。 さらに、評価基準の4分野の中、Delivery に対するより客観的、かつ精度の高い評価分析のため、日本語を母国語とする15才以上の英語学習者約200名とアメリカンネイティブ複数名を非実験者として同じ英文に対する朗読音声を録音し、その音声データに含まれる特定英母音と英子音ごとに発音の特徴に関する比較分析を行った。 音声データの録音とデジタルデータへの変換には、大型ダイアフラムサイドアドレス型コンデンサーマイクロホン(SHURE:PGA27)とシグナルアダプター(SHURE:X2u XLR-to-USB)を用いた。音声データの処理には、音声分析ソフト Praat を用いて、低周波数から順に第1フォルマントおよび第2、第3フォルマントについてプロットした。 実践的な英語コミュニケーション教育とグローバルマインド育成の成果として、IDW (International Display Workshops)'17における指導学生を筆頭者とする専門研究発表と論文投稿、そして、Asian Youth Forum (AYF)16におけるが英語プレゼンテーションと様々なワークショップにおける活動報告が挙げられる。 本研究活動の計画に準じて、2017 PAC (Pan-Asian Conference on Language Teaching and Learning)、COCET (The Council of College English Teachers)第40回研究大会などの国内外英語教育学会における研究発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の研究を続けて遂行する。特に、ネイティブとの差が他の母音より明らかであるとされている母音または子音の発音を、より効果的なDeliveryに対する評価のため、複数回録音し、その変化を数値データにまとめ比較分析する。音声データの比較分析による評価の客観性の向上を図りながら、英語プレゼンテーションの4分野37評価項目の評価・分析も今までの研究方法に従って同様に実施する。本年度の研究内容は実践的英語コミュニケーション教授法の授業評価を研究する。ワークショップ参加学生のプレゼンテーション能力やディベート能力の変化を可視化し、国内外学会においてその成果発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 当初予定していた国際学会での発表を控えた為、予算よりも少ない使用額となりました。 (使用計画) 今後の研究成果を国内外の学会で発表する予定であり、これに「次年度使用額」を充てていく次第です。
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