今後の研究の推進方策 |
2年目に当たる次年度には、フランス等の学習期に関する理論の検討と、スイスの基礎期の教育学的根拠の解明を行う。 (1)学習期に関する理論の検討 フランス等では複数学年による学級編制も珍しくないこともあり、幼小接続期の学習期のみならず、学習期全般に関する研究も蓄積されている(たとえば、Kahn, A la recherche du cycle perdu, éditions ANRT, 2009.)。これに対し、厳格な学年・学級制を採るわが国では、先行研究もほとんどない。そこで次年度は、計画の柱の1つに学習期に関する理論的研究を位置づけ、先行研究を総合することにより、学習期という仕組みの意義とともに、それを幼小の接続期に適用する具体的な有効性を検討する。 (2)スイスにおける基礎期導入の教育学的根拠の解明とそのための事例検討 スイスの場合、スイス教育長会議において全会一致で採択された合意であっても、その実施は各州において個別に検討され実施に移される。基礎期についても同様であり、このため各州において、試行が実施され、その際に基礎期の効果についても検証されている。この点はフランスにはない特徴であり、そうした調査報告書から、基礎期導入に至る教育学的な根拠を明らかにする。
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