研究課題/領域番号 |
17K04607
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
勝野 正章 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (10285512)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 校長 / リーダーシップ / 日本的特徴 / ルーティン / ツール |
研究実績の概要 |
校長のリーダーシップの日本的特徴を分析する作業を主に次の3つの方法によって進めた。1.2019年度に東京圏(1都3県)の公立高校長を対象に実施した質問紙調査結果の分析、2.国外研究者との共同研究、3. 国内の研究協力校への訪問調査。 具体的にはまず、近年、校長を対象とする研修において取り上げられることの多い企業経営の理念、戦略、手法が学校経営においてどのように活用されているかを明らかにすることをねらいとした調査により得られたデータを国外の研究者(ニュージーランド、韓国、カナダ、香港)と共同して分析、検討した。世界的な新型コロナウイルス感染拡大のため対面での研究協議は実施できなかったため、ZoomとEmailを主な手段として用いた。その成果は、カナダ・マニトバ大学のDr. Peng Liuとマレーシア・サインズ大学のDr. Thien Lei Meeの共編著として2002年にRoutledge社から出版される予定のEducational Leadership and Asian Cultureの1章として発表予定である。 一方、国内の研究協力校での訪問調査(文献収集及びインタビュー)は、新型コロナウイルス感染拡大のために著しい制約を余儀なくされたため、既存文献資料の分析により補完した。その際、東京大学大学院教育学研究科博士課程大学院生2名をRAとして雇用し、文献の収集、整理、分析に大いに貢献してもらった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
世界的な新型コロナウイルス感染による影響が当初予想していた以上に甚大であった。国外の研究者との共同研究はオンラインにより、ほぼ予定どおり進めることができたものの、国内における学校訪問調査は回数・規模の大幅な縮小を余儀なくされた。感染予防対策等で多忙を極める学校・校長との調査日程調整にもしばしば困難を来した。一部、オンラインによるインタビューで代替したものの、訪問調査を通して得る予定であったデータ、資料の分析はやや遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の再延長が認められたため、これまで以上にオンラインツールを活用して、国内調査及び国外の研究者との共同研究を推進する。次年度が最終年度となるので、成果の発表を積極的に進める。具体的には、Routledge社から出版予定である図書の分担執筆のほか、国内外の学術雑誌への投稿を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
世界的な新型コロナウイルス感染拡大により、国際的な共同研究、国内外の学会発表、訪問調査に伴う旅費が執行されなかったことによる。次年度は特に国内外の学会誌、書籍での研究成果発表を積極的に進めるとともに、新型コロナウイルス感染状況に鑑みつつ、必要な訪問調査、データ収集のために助成金を使用する予定である。
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