研究課題
教員評価制度における成果報酬に連動した勤務評価に対する被評価者の納得度の向上に関する示唆を得るために,テキストマイニングを用いた自由記述データの分析によって,納得度の向上の関連要因を統計的・構造的に明らかにした。分析の結果,以下3つの主要な知見が得られた。第1は,校長による授業・子どもの観察,公正・公平な客観的判断,成果・処遇反映の説明が主要な要因であった。第2に,それらの要因の中心に位置づくのは校長との関係であった。第3に,「仕事内容の相違による公正・公平評価の難しさ等の理由から,成果報酬制度は教育現場になじまない制度である」という納得度の向上を検討する以前の教員の否定的認識も強いことも挙げられた。成果報酬制度に対する否定的認識が強いことを考えると,成果報酬制度の再設計や運用の改善によっては解決し得ない根本的な問題があることも浮き彫りになった。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
川崎医療福祉学会誌
巻: 31,1 ページ: 233~243
10.15112/00014858