研究課題/領域番号 |
17K04647
|
研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
井戸 ゆかり 東京都市大学, 人間科学部, 教授 (60331500)
|
研究分担者 |
内藤 知美 田園調布学園大学, 子ども未来学部, 教授 (10308330)
園田 巌 東京都市大学, 人間科学部, 准教授 (60772217)
小泉 裕子 鎌倉女子大学短期大学部, 初等教育学科, 教授 (80310465)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 中堅保育者 / キャリアラダー / ウェルビーイング / 自己点検評価 / モチベーション / 自己肯定感 / 離職防止 |
研究実績の概要 |
本研究は中堅保育者の成長プロセスとその課題について着目し、保育者の成長を支え、保育の質の向上、問題解決、モチベーションにつながるキャリアラダー構築の検討を目的としている。研究経過において、初任から中堅への移行期や中堅初期段階に、スキル、職場環境等への不安要素から自己肯定感がもてずモチベーションの維持が難しくなり離職を考えるケースがみられた。そこで、結婚、出産、育児、介護等ライフイベントが多い中堅保育者にとって、モチベーションを維持し、成長につながるキャリアラダー構築に必要な視点を14園の自己点検評価項目(全563項目)のカテゴリー化やインタビュー調査等から検討した。 その結果、ポジティブ感情、自己有能感などモチベーションを維持する上で大切な要素になり得るウェルビーイングに関する項目の採用がほとんどないことが明らかとなった。一方で、離職率の低い園はウェルビーイングに関する項目の採用に努め、園長との面談時にも導入していた。したがって、ウェルビーイングの視点を自己点検評価項目やキャリアラダーの目標に導入することは、自身の心身の状態を客観的にみること、仕事のバランスを考える機会になり、働きやすい環境、モチベーションの維持、離職防止にもつながると思われた。 当初、具体的かつ普遍的なキャリアラダーを構築するイメージでいたが、園の文化、環境、地域性等に差異があり、それらを考慮せずにキャリアラダーを構築した場合、形骸化が生じる可能性があると思われた。そこで、各園でカスタマイズが可能な基準ラダー案を作成するに至った。それをもとに各園に即したキャリアラダーを構築することがより有効であると示唆された。本研究での基準ラダー案は、中堅保育者を対象とした各階層におけるものであるが、保育者の成長度合いや組織の成熟度等を省察することにも活用することを視野に入れている。
|