「イタリア・ボローニャにおける1870年代から1880年代の幼稚園 ーベッルッツィのピックへの手紙から-」を教育学論究第13号に投稿した。論文の内容は、ボローニャのイタリア教授同盟で働いていたベッルッツィが、ヴェネツィアで幼稚園を運営しながらフレーベル・メソッドの普及を講演等で広げていこうとしている著名なピックに宛てた手紙文を分析したものである。 1873年~1895年までのピックに宛てた手紙文では、当時の幼稚園や子どもたちの様子、そして行事等の内容をベッルッツィがページを費やして事細かく述べており、当時の幼稚園の様子が手に取るように想像することが出来る。当初はベッルッツィがピックを兄のように慕い事細かにピックに報告していたが、徐々にピックが引き気味になりベッルッツィに手紙の返信をしなくなる様子が見られるようになり、実際ピックがどのようにベッルッツィの手紙文を感じたのかは知ることはできない。ピックに宛てた手紙は、ウーディネのヴィンチェンツォ・ヨッピ市立図書館の「手書原稿と貴重本セクション」に保存されており、ベッルッツィの手紙文の分析は今までされたことはないため、当時のボローニャの幼稚園の様子を知るには貴重な論文であると考える。
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