研究課題/領域番号 |
17K04655
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
坂井 康子 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (30425102)
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研究分担者 |
志村 洋子 同志社大学, 赤ちゃん学研究センター, 研究員 (60134326)
岡林 典子 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (30331672)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 乳幼児の音声 / 歌唱様音声 / オノマトペ / 音象徴 / 絵本 |
研究実績の概要 |
科学研究費助成による研究の計画では、「1)子どもの「声・ことば・うた」に関する基礎研究」および「2)保育・教育現場における「声・ことば・うた」の表現活動に関する実践的研究」をあげており、本科研費による研究の1年目において、1)については、乳幼児の音声データ(NTT乳幼児音声データべ―ス)から「オノマトペ」と聞き取られる音声を抽出する作業を続けている。2)については、研究協力者:上木園長(宝塚市西山幼稚園)、京都幼稚園、小学校の協力を得て、絵本から広がる保育実践を試みて、これにつき研究発表をおこなった(「絵本から始まる表現活動の展開(3)」、「絵本から始まる表現活動の展開(4)」日本乳幼児教育学会第27回大会)。また、これまでの乳幼児音声の分析結果に基づく音声研究から歌唱様音声、そしてわらべうたへのつながり、わらべうたと小学校の音楽づくりの連続性について述べた「0.1.2歳の自発的な音声表現から小学校の音楽づくりへ」『音楽教育実践ジャーナル』を執筆し、基礎研究と実践に基づく研究をつなげることができたと考えている。さらに、絵本のオノマトペから発展させる表現遊びについて実践に基づき論述した「音楽づくりへつながる幼児の表現遊び―絵本のオノマトペを用いた実践から」『関西楽理研究』XXXⅣを執筆した。また、これらの継続的な研究の成果については、毎年日本赤ちゃん学会音楽表現講座における講演の中で紹介している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画のうち、「1)子どもの「声・ことば・うた」に関する基礎研究」については前科研研究後、2名により乳幼児音声(NTT乳幼児音声データべ―ス)から抽出・分析を続けているが、オノマトペ用音声に関してこれをまとめるには至っていない。「2)保育・教育現場における「声・ことば・うた」の表現活動に関する実践的研究」については、研究実績の概要であげたとおり、昨年科研費助成1年目に発表および2本の論文を執筆することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現状として、乳幼児音声、歌唱様音声の研究に基づく基礎研究をもとに、子どもの表現活動の素地について提案をおこない、これを実践的な研究に展開させることが中心になっている。今後は、日本語の音声的特徴に照らして、オノマトペ、特殊拍についてさらに学究的内容での分析を深める考えである。
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次年度使用額が生じた理由 |
8年経年のPCの処理速度が遅くなっており、加えて数点回復が難しい不都合が生じていることから、PCを購入させていただく計画であったが、選定に手間取り、購入依頼した時点で入手が年度を超える可能性があった。このためPC購入を次年度(2018)に延期することとした。
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