研究課題/領域番号 |
17K04655
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
坂井 康子 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (30425102)
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研究分担者 |
志村 洋子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (60134326)
岡林 典子 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (30331672)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乳幼児の音声 / オノマトペ / 音響分析 / 日本語音声 / 子どもの表現 / 和楽器 |
研究実績の概要 |
最終年となる予定であった2020年度は、これまで積み上げてきた「声・ことば・うた」の音響的・韻律的分析に基づく保育・教育の表現活動の研究」のための理論的裏付けと、裏付けに基づく実践を実施し、それらのまとめをする予定であったが、コロナ禍のため現場での実践をおこなうことができず、研究期間の延長を申請した。 こうした中で2020年度に実現できたことは大きくは2点ある。 まず基礎研究としては、これまでのオノマトペ音声の音響分析をさらに進めて特定ラウドネス分析をおこない、音節内の特定ラウドネス値の3Dグラフを示し、乳幼児のオノマトペ音声が短時間で音の高さ,音色が著しく変化していることを明らかにした。これについては、「乳幼児のオノマトペ音声の音響分析に基づく保育・教育教材の検討」(甲南女子大学紀要)として共同執筆することができた。 また、コロナ禍前におこなった実践について分析した「音の違いに気づく表現活動の試み:―和楽器を用いて―」(学校音楽教育実践論集)を執筆することができた。ここでは、音を知覚し感受する力や、創造性や表現力、協同性を育みことをねらいとして、幼稚園年中児を対象に、聞えた和楽器の音をオノマトペで表現し、これを口唱歌として唱える活動をおこなった。オノマトペの分析や子どもの活動の分析に基づき、子どもたちがこの実践で音の違いに気づくことができ、音の特徴をとらえて表現することができたことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度に幼稚園、小学校での実践に基づく研究を予定していて日程も決まっていたが、コロナ禍のため、幼稚園での実践は延期を余儀なくされた。2021年度に入って和太鼓の実践をおこなうことができたので、これをまとめる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究として、オノマトペ音声の音響的特徴についてはNTT乳幼児音声データべ―ス他からの抽出を続けている。オノマトペの分類を基に、本来の(アクセント辞典にある)アクセントとの相違を示す予定である。実践については、現時点でさらにコロナ禍の様相が良くないため、しばらく様子を見る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により実践的研究が遅滞したため。 状況が許せば追加の実践研究をおこない、これを含め科研費による研究の報告書を作成する予定である。
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