研究課題/領域番号 |
17K04658
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研究機関 | 就実短期大学 |
研究代表者 |
大友 達也 就実短期大学, 生活実践科学科, 教授 (90369497)
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研究分担者 |
黒野 伸子 岡崎女子短期大学, 現代ビジネス学科, 准教授 (70515957)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 健康自己管理 / 生涯学習 / 予防 / ヘルスリテラシー / 健康情報 / 言伝え / 医療費 / 健康診査 |
研究実績の概要 |
予防を重視し、高齢化社会に対応する日本の取り組みは、本質的に始まってから間もない。日本の財政状況や少子高齢化社会の現状から、予防をいかに国民に浸透させるかは重要課題となっている。制度による基盤づくりは大切であるが、浸透には国民側の問題がある。その典型的な一例が国保健康診査の受診率の低さの現状が挙げられる。予防の重要なひとつである健康診査では、地域差があり、広島や山口は受診率が低く、山梨や宮城は受診率が高い。各都道府県は様々な取り組みを行って工夫しており、行政による差が大きなものとは言い難い。都道府県データの傾向は特定健康診査を実施する以前から長期に渡り変化は低かった。地域差の原因は、その地域に根づく文化の影響によるものと考えられなくはない。第1に文化の視点である。単に食文化等ではなく、言い伝えなどの俗説的固定概念の存在に着目する。この文化的影響によって地域差が生じている可能性があると考えた。これに関しては、岐阜県で発見した小寺家文書に診療明細書と闘病日誌を発見した。この分析を追加で行っており、論文にまとめている。 この診療明細書は日本最古のものとして、日経新聞など全国新聞にとりあげられ、2021年2月に、日本レセプト学会の学術賞を受賞した。第2に健康教育におけるセルフマネジメントは重要な鍵となっているが、高齢化が進行すれば、コミュニティの機能、人と人との繋がりも重要になると考えられるため、関係性(ソーシャルキャピタル)は予防、健康増進活動に作用していると考える。そして特に紐帯の強弱だけではなく、どの段階で関係性がどのように影響しているのかをモデル仮説図をもとに吟味。本研究ではこの地域差を視野に入れて、高齢者における健康教育の実態を分析し、そのあり方を吟味している。追加調査を行い、データを分析したが、これからそれらを纏める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年にプレ調査として、仙台市と広島市でプレ調査を実施し、2019年に本格的な訪問調査を広島市と仙台市で実施し、岐阜県での追加調査を実施している。2020年度は追加の調査として、広島県、宮城県のデータをとり分析を行った。新型コロナの影響について、被験者の行動、考え方などをインタビューしている。ただし、当初は訪問調査を計画していたが、新型コロナ感染予防のため、訪問せずに電話による調査とした。また、そのデータの分析を行い、資料としてまとめた。 新型コロナの影響で、予定する訪問調査ができなかったため、急遽方法を変更し、電話による調査に切り替えた。調査した内容は、コロナ情報の情報交換の状況、コロナの情報入手方法、対応とその行動である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、 調査は昨年度終えたので、まだ分析が不十分なため、分析を深め、整理したものを論文にまとめる方向である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により、調査が遅れていること、そしてコロナに関連した調査を追加しているため、予定よりも若干多く必要となった。
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