研究課題/領域番号 |
17K04665
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研究機関 | 九州女子短期大学 |
研究代表者 |
田中 敏明 九州女子短期大学, 子ども健康学科, 教授 (50036935)
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研究分担者 |
金 娟鏡 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (20709852)
安東 綾子 九州女子短期大学, 子ども健康学科, 講師 (20785159)
矢野 洋子 九州女子短期大学, 子ども健康学科, 教授 (60596592)
田中 ミサ 九州女子短期大学, 子ども健康学科, 講師 (40807252) [辞退]
橋口 文香 九州女子短期大学, 子ども健康学科, 准教授 (20648381)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 日本と韓国 / 幼児の生活 / 育児観 / 変容 |
研究実績の概要 |
韓国の幼児を持つ親約500名を対象に、24年前に研究代表者が行った調査同一の設問を用いたアンケート調査を実施して24年前のデータおよび調査前年度に行った日本の変容との比較検討を行った。主な調査内容は,幼児の生活については,起床と就寝の時間及び方法,登園・降園時間,降園後及び休日の生活・遊びの様子,親子のかかわりであり,育児観・育児行動については,幼児への期待・幼児のしつけ方,育児の心配事,心配事の相談相手,少子高齢化への思い,幼児に関する社会問題についての意識である。次のような結果が見いだされた。 子どものことに関する用務の遂行は依然として母親が行っていること、起床・就寝時間に改善が見られること、子どものことを親がやってしまう傾向が高まったこと、母親との触れ合いの時間は増加したが父親との触れ合いは2極化していること、希望する子どもの数は減少する一方子どもに過剰な期待をかけなくなったこと、子どもを甘やかす傾向が強くなったこと、子どもに対する心配は減少する一方で母親の就労に起因する悩みが増加し、誰かに相談する機会が少なくなったこと。 これらはいずれも子どもの健やかな成長のために、また子育てしやすい環境づくりのために取り組むべき課題を含んでいる。なぜこのような変容が生じるのか、どのように課題の解決を図るのかについて次年度の調査で検討していきたい。 今回見いだされた特徴や変容の多くは日本の特徴や変容と類似しており、今後は日本と韓国が共同で問題解決に取り組むことが効果的であると考えられることから、韓国の研究者との共同研究体制を構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は、日本及び韓国の幼児の生活と親の育児観の変容比較を行い、そこから両国の変容をもたらす要因分析のための調査内容を作成する予定であったが、ほぼ予定通り進行した。ある程度の予備調査を行うことができればより望ましかったがそれは次年度に持ち越した。
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今後の研究の推進方策 |
日本と韓国の幼児の生活と親の育児観の変容のうち2018年度で明らかにされた変容、すなわち子どものことに関する用務の遂行は依然として母親が行っていること、起床・就寝時間に改善が見られること、子どものことを親がやってしまう傾向が高まったこと、母親との触れ合いの時間は増加したが父親との触れ合いは2極化していること、希望する子どもの数は減少する一方子どもに過剰な期待をかけなくなったこと、子どもを甘やかす傾向が強くなったこと、子どもに対する心配は減少する一方で母親の就労に起因する悩みが増加し、誰かに相談する機会が少なくなったことの背景(変容をもたらした要因)を明らかにする調査を日本と韓国で行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
韓国出張に予定していた費用のうち2名が出張できなくなったため。
日本から韓国の主張及び韓国から日本への出張を増やし、より緻密な研究を行う
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