研究課題/領域番号 |
17K04672
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
米澤 由香子 東北大学, 国際連携推進機構, 准教授 (60597764)
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研究分担者 |
太田 浩 一橋大学, 国際教育センター, 教授 (70345461)
堀江 未来 立命館大学, 国際教育推進機構, 教授 (70377761)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 大学国際化マネジメント / 教職協働 / シニアインターナショナルオフィサー |
研究実績の概要 |
本年度は、まず国内外の実践の基礎的理解を得ることを大目標とし、行動目標を2点設定した。一つは、国内の大学国際化マネジメントについて政策等により調査し論文とすること、もう一つは、次年度実施予定の国内質問調査に向けて他国の同様調査を整理することであった。 論文投稿については、国際化を先進する大学群としてスーパーグローバル大学創成支援事業採択37大学を取り上げ、構想調書にある教職協働の計画や実践を比較検討し、その考察をまとめた。結果は2018年3月付けで学術雑誌Higher Education Forumに掲載された。 次の国内質問紙調査の準備については、2回の海外調査で成果を得た。2017年12月の韓国調査ではソウル市内の5大学を訪問し、国際化マネジメント担当の副学長級教職員から実務担当職員までに、国際化における教職員の役割分担や職員の雇用・昇進システムを中心に尋ねた。結果、韓国の大学国際化に関わる人事システムは日本の現状と共通点を多く有することが分かった。米国調査は(2018年2月)、大学国際化上級職が集う学術会議AIEA (Association of International Education Administrators)に参加し、主要大学の上級職にインタビューを実施した。その結果、米国の大学における国際化は過去10年間で中央集権化(centralization)へと舵を切ったこと、そして、国際化を牽引するSenior International Officer (SIO)という職種が運営において急速に影響力を増していることが分かった。また、AIEAで毎年実施しているSIOに関する質問調査が、本科研の探究課題にとって有益であることから、この調査を日本の大学を対象として実施することを検討したいという希望を担当者と協議し、快諾を得、質問紙や実施概要の教授を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画は3点にまとめており、それらは以下のようなものであった。(1) 先行研究や実践の整理、(2) 海外事例調査、(3) 質問紙項目の設定。(1)については、主に国内の先行研究をジャーナルや報告書、政策文書、関連誌などに求め、おおよその整理がついた。その成果の一つとして学術論文の投稿・掲載となった。(2)については韓国と米国にて予定通り調査を実施した。(3)については、米国調査により本研究と目的を共有する米国大学対象の国際化マネジメントに関する質問調査の存在を確認し、これを援用実施することで日米比較を試みる目途をつけた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の各年度計画に基づき、平成30年度には質問調査を行う予定とする。これには、平成29年度に得た、米国大学の国際化担当上級アドミニストレーターを対象とする質問調査を活用し、日米比較を計画する。並行して、国内大学のケーススタディを行うため、国内数大学を訪問調査する。平成31年度は質問紙調査とケーススタディをまとめ、研究会の開催や論文投稿、学会発表などを研究分担者とともに計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の計画として、平成30年度に実施を予定する国内調査の質問紙を確定し、実施様式を定めることとしており、その実施にかかる費用として印刷代またはウェブサイト作成費を見込んでいた。しかし、実施様式については平成30年度前半に持ち越すこととしたため、次年度使用額が生じた。これについては研究の進捗に大きな影響はないと考え、平成30年度の助成金額と合わせて予定の通り使用できるものと計画している。
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