研究課題/領域番号 |
17K04677
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森 雅生 東京工業大学, 広報・社会連携本部, 教授 (20284549)
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研究分担者 |
高田 英一 神戸大学, 評価室, 准教授 (60336039)
大石 哲也 東京工業大学, 広報・社会連携本部, 特任准教授 (30552236)
小柏 香穂理 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (60379922)
白鳥 成彦 嘉悦大学, ビジネス創造学部, 教授 (70552694)
田尻 慎太郎 横浜商科大学, 商学部, 准教授 (90410167)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | FAIR原則 / オントロジー工学 |
研究実績の概要 |
〔a.欧州研究情報の調査〕euroCRIS2018(欧州研究情報に関する国際会議)に参加し、欧州における動向を調査した。ここでわかったことは、科学データのオープン化に向けて提唱されているFAIR原則(発見可能性、可達性、互換性、再利用性)が、研究情報にも有効であり、研究情報マネジメントでもこの原則を重視すべきであるという認識が、欧米では一般的になりつつあることである。FAIR原則については、国内では特に科学データのオープン化の観点では知られているが、大学のマネジメントの観点では未だ必要性について議論されていない。この原則を守るために必要なことは、全てのデータに永続的識別子(PID)とメタデータの充実化である。特にメタデータの充実には、情報のもとになる概念を定式化するオントロジーが有効である。 〔b.およびd.研究情報と社会活動情報のオントロジー構築と教育との併合〕教育・研究・社会貢献活動を構築し併合することを想定して、人事や財務の概念も並行して構築する必要性が高いことが明らかになってきた。これら3つの概念を関連づけるものとして、明確になっているのが人事と財務であるからである。この二つの概念のオントロジー構築は、本研究課題の対象ではないが、今後の課題である。 〔c.オントロジーマップ〕成果は教育情報学会の年会での課題発表やMJIR2018において報告した。さらに、台湾における大学IR協会では招待公演にて日本のIRについての課題の一つに、大学の各種役割をオントロジーを活用して定式化し、データベースなどに役立てる必要があることを議論した。また、プロトタイプを国際会議NPSE2019にてポスター発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展しているが、次のような課題が明らかになった。 教育・研究・社会貢献活動の概念を、成果情報として捉えるためのオントロジーを構築することは可能であるのはわかってきたが、これらを併合する際に、鍵となる概念が人事や財務であることが明らかになってきた。教育・研究・社会貢献活動の3概念をむすびつけようとする場合、研究分野によって特徴が大きく異なるため、オントロジーを記述することが困難である。しかし、人事や財務などの概念は一般的であり、他分野でのオントロジー構築の実績があるので、比較的導入しやすい。ただ、これらを一から構築するには時間がかかるので、本研究課題では人事と財務の概念については必要最小限の構築にとどめて研究を進めることとした。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は教育・研究・社会貢献活動などのオントロジーを併合し、可視化するマップを構成する。また、今後の課題となっている人事や財務の概念のオントロジー化を最小限ではあるが進めていき、マップ構成に活用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
〔理由〕東南アジア地域大学IR協会国際会議(台湾)にて成果報告を行う計画を、今年度から2019年度に開かれる同じ会議に変更したため、次年度使用額が生じた。
〔計画〕上記の繰越は、2019年9月25日から27日に行われる東南アジア地域大学IR協会国際会議(台湾)に参加し、"About A Role on Information Management for Institutional Research"というタイトルで成果発表をするために活用する予定である。
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