本研究では、企業の採用ニーズの高い理系大学院修士課程の留学生のうち、日本語力が初中級であるために就職が困難な留学生に焦点をあて、就職活動状況、日本語教育、キャリア教育・支援との関連性を明らかにし、企業と留学生の接点形成、新しい採用方法の検討を通し、外国人高度人材の活用促進を目指した。 令和4年度は過年度からの継続項目として、(1)日本語初中級の理系大学院留学生のキャリア支援の実践研究、(2)研究対象群の卒業時の進路及び就職状況調査、(3)日本で就職した元留学生の定着と離職に関する調査を実施し、加えて(4)日本語科目の履修状況についての調査研究を行った。(1)については、研究代表者の所属先で文部科学省認定・留学生就職促進教育プログラムを開始し、研究対象群にオンラインによるキャリアガイダンス、就職活動相談会、対面によるOBOG交流会、企業交流会、企業説明会等を行った。(2)については、就職活動環境、活動歴、結果に関するアンケートを行うとともに、主にアンケート回答者から抽出した協力者に留学から就職までの過程に関する対面のインタビューを行った。(3)については、日本で働く元留学生にインタビュー調査を実施した。また、前年度までに取得したインタビュー調査データの予備分析を進めた。(4)については、理系修士課程英語プログラム留学生の日本語履修のパターンについて調査研究を行った。これらの研究活動を元に、令和4年度はシンポジウムでの講演1件、論文1本を発表した。
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