研究課題/領域番号 |
17K04683
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
辻 延浩 滋賀大学, 教職大学院, 教授 (00378431)
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研究分担者 |
大平 雅子 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (40616190)
加登本 仁 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (40634986)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 睡眠健康指導士 / 睡眠教育 / 睡眠の量とリズム / 日中活動量 / 健康教育 / 阻害要因 / 教職経験年数 |
研究実績の概要 |
児童生徒の睡眠の年齢別傾向を明らかにするために、小学校高学年を対象として「睡眠の量とリズム、日中活動量」に関する横断的調査を実施した。また、今年度は睡眠リズムと朝の計算課題の正答率との関連についても検証を行った。その結果、小学校5年生よりも6年生の方が、睡眠リズムにばらつきが大きいことや就寝時間が遅くなるために睡眠時間が短いことが明らかになった。さらに、睡眠時間が短い日や主観的な目覚めが悪かった日には、計算課題の正答率が低い傾向があることが明らかになった。 また、前年度に実施した小学校教諭を対象とした質問紙調査の分析を行った。分析の結果、小学校教師は保健授業について、養護教諭をはじめとした同僚との関係や校内の研究体制については困難を抱えていないものの、授業実施における「主体的・対話的で深い学び」の実現やそれにつながる学習活動の組織や教材の工夫について困難を感じている傾向がみられた。また、教職経験5年以内の教師は相対的に悩み事の認知が高く、若手教師が養護教諭と連携しやすい環境の整備が課題として考えられた。中学校保健体育教師を対象とした質問紙調査を実施し、質問紙の回収が完了した。 さらに、研究協力者の附属学校教員一名が、日本睡眠教育機構が主催する「睡眠健康指導士初級」の資格を取得し、中学校2年生を対象に、睡眠教育プログラムを自力で作成し、その実践化を試みた。授業評価の結果、中学生の睡眠に関する意欲・関心の高まりと睡眠に関する知識の理解度において高い評価を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小学校および中学校教師を対象とした質問紙調査の分析結果について、研究成果の公表ができていない。2019年度に滋賀大学教育学部紀要への投稿を予定している。)
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、一昨年度に引き続き、「睡眠の量とリズム,日中活動量」に関する横断的調査を対象年齢・校種を拡げて実施する。昨年度調査をした小学5、6年生に加えて、来年度は新たに小学1~4年生、中学2年生を対象にする。また、調査結果を基に、児童生徒の睡眠の年齢別傾向についても検証を進める。これらのデータを基礎データとして、睡眠教育実践による効果の検証も行う。睡眠教育実施群及び非実施群の実践前と実践6ヶ月後の生活行動を2週間に亘り、連続的に記録し、日中活動量、睡眠時間、睡眠覚醒リズムの変化を縦断的に分析していく。 小学校およに中学校教師を対象とした健康教育実践に関する質問紙調査については、分担者に勤務地の異動があり進捗状況がやや遅れているが、研究打ち合わせの会議を持ち、期間内に研究成果の公表が完了するよう努める。 引き続き、睡眠教育指導士の養成を行うと共に、研修センターや研究会組織と連携して睡眠教育実践の取組を行う。
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