研究課題/領域番号 |
17K04683
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
辻 延浩 滋賀大学, 教職大学院, 教授 (00378431)
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研究分担者 |
大平 雅子 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (40616190)
加登本 仁 安田女子大学, 教育学部, 准教授 (40634986)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ICT利活用 / 睡眠教育 / 保健の授業 / 睡眠健康指導士 |
研究実績の概要 |
COVID-19の影響により、対面型の睡眠教育指導者養成が困難になったために、オンラインを活用した授業研究システムの開発に切り替えた。その手順として、まず初めに、研究代表者がこれまでに作成している睡眠教育指導者用ハンドブックや睡眠学習教材をオンデマンド資料として、滋賀県総合教育センターのサイトにアップした。また、GIGAスクール構想の先駆けとして、滋賀県内でICT利活用が進んでいる草津市内の小学校の協力を得て、ICTを活用した睡眠の大切さに気付かせる保健授業の開発を行った。その結果、「授業の楽しさ」「授業の理解度」「生活への活用度」「教材の適切度」において高い評価が得られ、ICT利活用の有効性が確かめられた。また、初任教師に対して睡眠教育の研修を課し、そのプログラムに基づく授業実践を行ってもらい、研修の効果を検証した。初任並びに若手教師は新しい睡眠の科学的知見の理解度が浅いために、表面的な説明となり、児童の授業に対する満足度や理解度、知識の活用度を十分に高められなかったことが認められた。このことを改善するためには、睡眠の科学についての教材研究とICTの効果的な活用についての研修が必要であると考えられた。 一方、睡眠健康指導士(初級)の資格を取得した中学校保健体育科教員及び養護教諭のティームティーチングによる「睡眠と健康(第1学年)」の授業実践では、生徒が1週間の睡眠日誌をつける事前学習を取り入れ、自己の睡眠データに基づく睡眠環境の改善をねらいとした授業が展開された。生徒の授業評価からは、「授業の満足度」及び「授業の理解度」において概ね満足できる結果が得られた。課題としては、学んだ睡眠の知識を自己の生活に生かす「生活への活用度」の評価がやや低かった。この点については、学級指導や課外活動等での指導と結びつけるなど、関連した継続的な取り組みが必要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により、当初予定していた小学校体育主任による授業研究を行うことができず、次年度に延期されたため。
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今後の研究の推進方策 |
中堅クラスの体育主任を対象に、睡眠教育の教材研究を施し、ICTを活用した研究授業を実施するとともに、授業データを記録・収集して分析する。得られた成果を大学紀要にまとめ、公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、小学校における睡眠教育の実践を行うことができなかった。次年度に実践できるように計画を進めている。
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