| 研究課題/領域番号 |
17K04686
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| 研究機関 | 大阪教育大学 |
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研究代表者 |
中山 あおい 大阪教育大学, グローバルセンター, 教授 (00343260)
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| 研究分担者 |
長島 啓記 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00298449)
立花 有希 宇都宮大学, 国際学部, 講師 (60736198)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 個別支援 / 子どもの多様性 / 教育の個別化 / コンピテンシー / インクル―ジョン |
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| 研究実績の概要 |
本研究はドイツにおける教育の「個別化」について、教育政策とその理論的背景、教育実践を検証することを目的にしており、平成30年度は、移民を含めた多様な子どもへの支援について、より具体的な実践を把握するために、特に「個別支援」に力点をおいている教育機関や学校の訪問調査を行った。
2018年9月には、フランクフルト大学教育学部にある「個別支援オフィスArbeitsstelle fuer Diversitaet und Unterrichtsentwicklung - Didaktische Werkstatt (Didaktischen Werkstatt zur individuellen Foerderung)」を訪問し、インタビュー調査を行うことにより、教員のための「個別支援」に関する研修や助言の具体的な活動を把握することができた。また、昨年の調査で訪問したバーデン・ヴュルテンベルク州学校開発研究所の紹介により、基礎学校と中等教育段階を合わせた学校であるElise von Koenig Gemeinschaftsschuleを訪問し、インタビュー調査と授業見学を行った。さらに、2019年3月にはビーレフェルト大学を訪問し、インクルージョンと個別支援に関する理論的な枠組みについて助言を得ることができた。また、ビーレフェルト大学附属実験学校を訪問し参与観察を行うとともに、個別支援の実態についてインタビュー調査を行った。さらに、近隣の基礎学校と中等教育段階を合わせた学校であるGesamtschule Aspe Bad Salzuflenにおいて、移民の子どもの教育現場を参与観察し、具体的な支援の在り方について検証した。
このように教育の「個別化」という観点から、多様な子どもの教育の実態把握が進めば、今後の日本の教育を考える上でも示唆深いと思われる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は本研究の2年目にあたり、前年の海外調査の結果を踏まえて、「個別支援」の理論的背景を再検討し、かつ調査の設計を必要に応じて修正し、移民を含めた低学力層や特別なニーズのある子どもへの教育実践を調査するとともに、教育の「個別化」を具体的に把握することを目的にして調査を行った。
理論的背景については、ビーレフェルト大学の専門家との話し合いのなかで、個別支援の理論的背景にインクルーシブ教育が関連していること及び、ドイツにおいてその理論がどのように具体化してきたのか知見を得ることができた。 また、教育実践については、バーデン・ヴュルテンベルク州、ノルトライン・ヴェストファーレン州の学校において、移民や特別なニーズのある子どもが多く在籍する教育現場を訪れ、参与観察を行うとともに教員にインタビュー調査を行うことで、教育実践や学習方法等における教育の「個別化」の実態について把握することができた。さらに、学校実践をささえるための研修や助言を行う「個別支援オフィス」を訪問調査することで、「個別支援」の研修や、専門家と教員のネットワークの広がりを把握することができた。
以上のように、「個別支援」の理論的背景や教育実践についての把握が進め。当初の目的を達成したと判断できる。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進方策に関しては、昨年度に引き続きドイツの教育の「個別化」に関連する資料・文献を収集整理し、その分析を行うとともに、移民を含めた多様な子どもに対する「個別支援」に焦点を合わせ、「個別支援」に関わる教育課題がどのように議論され実践に結びついているのか、インクルージョンの理論や実践との関連について調査を実施する。
また、教員養成や教師教育において「個別支援」がどのような理念や実践として教授されているのか、引き続き教員養成機関の資料や文献を収集整理するとともに、教員養成機関や研修機関において海外調査を行う。
次年度は本研究の最終年度であるため、本研究で得られた知見をまとめて比較教育学会等で発表する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
来年度に追加の海外調査を行うことになったため、本年度の予算の中から来年度に使用する旅費の一部を繰り越したため。
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