イスラーム思想に立脚しながらも、必ずしもイスラームにこだわらず、各国の教育カリキュラムに沿った柔軟なプログラムを実施するヒズメット系学校は、各国の教育行政の隙間を埋める形で様々な方法のエリート教育を施している。例えば先進国においては、既存社会階層に新規参入しにくい移民を中心とする「教育的に恵まれない環境」の子弟に対して、中進国や途上国においては外国籍の住民や、現地の成績優秀者に対して、である。さらに文化の交錯する国境地帯においては、多言語複言語教育によるボトムアップ教育も行われており、エリート教育と多文化教育に力を注ぐヒズメット運動の教育活動が解明された。
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