研究成果の概要 |
本研究は、北米・南米・ヨーロッパ・オセアニア・アジアの多国籍留学生の日本留学に関わる異文化適応と帰国後の再適応について,深い内面の心情を探り,それらの体験が再来日やその後の人生に与える影響をホリスティックに捉えた質的研究である。文化的背景・言語・地域性・価値観・行動・人間関係構築における相違や,自国文化と日本文化との文化的距離などに着目し,留学前の期待・不安要因,留学中の異文化適応とカルチャーショック,帰国後の再適応と逆カルチャーショックの実態を探り,留学体験の複雑性と様々な影響が可視化された。文化的・社会的・個人的な多面的要因が留学と留学後の日本との関係性や人生選択に影響することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
北米・南米・ヨーロッパ・オセアニア・アジアの多国籍留学生の留学前・留学中・帰国後の体験をホリスティックに捉え,異文化適応・再適応の実態と,留学体験が再来日行動や将来的な日本との関わりに与える影響を考察した。留学生の人生の分岐点及び自己形成の一部としての留学に関わる体験を質的調査により包括的に捉えた。アイデンティティ,自己形成も含む心理・文化・制度・社会に関わる多面的要因と個人的要因が留学生の異文化適応と再適応の体験とその後の日本との関わりに影響することが分かった。留学生と派遣留学参加者も包含した留学前・留学中・留学後に関わる包括的支援体制を異文化間理解教育も含め考案していく基礎となった。
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