研究課題/領域番号 |
17K04692
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小野 由美子 早稲田大学, 総合研究機構, その他(招聘研究員) (20177273)
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研究分担者 |
小澤 大成 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60253241)
前田 美子 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 教授 (70454668)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 教師教育 / 授業研究 / 教育移転 / 研修評価 |
研究実績の概要 |
2021年度は教育移転に関する理論的な研究と、研究対象国の教師教育について文献収集ならびに日本人プロジェクト関係者への聞き取りを主に行った。 教育移転という概念には、借用(borrowing)と貸与(lending)が含まれるが、貸与の場合は主体性に乏しく、貸与された政策・実践が根付きにくい。それに対して、借用の場合、なぜその政策・実践を借用するかが明確であり、定着の可能性は高くなる。また政策移転の過程で、文脈化、現地化、適応ということばで表されるような変容が起こることも先行研究では示唆されている。移転後、普及の過程でも意図的、無意図的な変容が起こることが知られている。 グローバル化、ICT化が進んだ今日にあっては、途上国も自ら積極的に他国の情報を求めていること、文献研究からは、途上国、先進国を含めて教員養成カリキュラムの中に日本の授業研究を取り入れる例が増加していることが明らかになった。 日本の教育政策・実践の輸出にあたっては、現地プロジェクトでの専門家による指導だけではなく、現地中核人材を日本に招いて日本国内で実施する研修を通して輸出するチャンネルも存在する。本邦研修は、研修で学んだことを帰国後の職務に生かすことを目的として行われるが、本邦研修の効果の評価については研究が乏しい。そこで、研修評価の枠組みとして一般的なKirkpatrickの4レベル評価を用いて、2017年に実施された国別研修を事例に研修評価の成果と課題を考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍終息の見通しが立たず、渡航禁止措置の延長により、現地調査、参与観察がこんなであったことが理由である。研究対象国としていたミャンマーは、2021年2月の軍によるクーデータの結果、一時期、現地との交信も困難な状況が続いた。現在は改善されているものの、現地関係者の安全を考えて記録に残る交信は控えている。モザンビークについても関係者による現地渡航も中断しており、遠隔での指導となっているため、現状把握が難しい。
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今後の研究の推進方策 |
前半は、ミャンマー、モザンビークについて日本の大学関係者への聞き取りを行い、日本の教員養成カリキュラム輸出の成果と課題を明らかにする。2022年度後半には研究のための海外渡航が可能になると思われるので、それに備えて、これまで収集した資料、聞き取り調査をまとめ、現地調査の枠組みと手順を明確にし、関係者との連絡調整を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19 のため、予定していた海外渡航ができなかったことによる。
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