研究課題/領域番号 |
17K04699
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
宮上 多加子 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (90259656)
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研究分担者 |
河内 康文 高知県立大学, 社会福祉学部, 講師 (20723448)
田中 眞希 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (60368850)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中堅介護職員 / 経験学習 / 職場学習 / サービス提供責任者 / 訪問介護員 / 人材育成 / メンタリング |
研究実績の概要 |
本研究では、人が仕事を通した経験から学んでいく過程を経験学習とし、職場における経験学習に影響する多様な相互作用をメンタリング機能としてとらえる。対象は、介護現場における中堅介護職員及び指導的立場の職員とする。質的帰納的な分析方法により、職員の職場内外の他者との関係と支援内容、それらの支援を通した職務遂行能力の発達について明らかにすることを目的とする。2019年度の実績は、以下のとおりである。 ①2018年度調査の分析:2県8事業所の訪問介護員14人に対して調査を実施して得られたインタビューデータを逐語録とし、質的分析ソフトMAXqdaを用いて分析を行った。同時に、これらの訪問介護員に対する指導的立場にある職員として、サービス提供責任者14人に対して調査を実施し、得られたデータも同様に質的に分析した。 ②2018年度調査結果の公表:上記①の内容について、口頭発表1件、紀要論文2編として公表した。 ③サービス提供責任者および指導的立場にある職員を対象とした個別面接調査の実施:2018年度調査を通して、訪問介護員は多くが登録制であり、サービス提供責任者は指導的な関係を構築しにくいという現状が明らかになった。従って、2017年度に実施した施設の中堅介護職員とその指導的立場の職員との間の支援関係とは直接的な比較検討ができなかった。これをふまえて、2019年度の調査は、訪問介護事業所のサービス提供責任者を中心とした支援関係を探る形をとった。具体的な調査対象者は、4県にある訪問介護事業所13か所の中堅的立場のサービス提供責任者12人と、同事業所の管理者・所長・主任等の指導的立場の職員13人であった。中堅的立場のサービス提供責任者の職務遂行能力については、自記式評価スケールを用いた。 ④逐語録の作成と質的記述的分析:2019年度調査の逐語録を作成し、質的に分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度の調査は、研究計画の立案時に予定していた内容ではないが、2018年度の調査結果の分析により追加調査が必要となったものである。2019年度に実施した追加調査については、予定していた調査先について年度末までに終えることができた。しかし、当初計画よりも追加調査で対象者数が増えたことにより、逐語録の作成と分析に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、2019年度に実施した調査データを分析し、結果を調査対象者へ郵送・確認の後に、訪問介護事業所の責任者や管理者に対するグループインタビューを実施し、調査結果の確証性や妥当性を高める予定である。共同研究者および研究協力者との役割分担と連携を密にして、最終的な研究の知見を出すように作業を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に実施した訪問介護事業所の調査において、訪問介護員(ホームヘルパー)の雇用形態や事業所内の支援関係の特徴が、当初の想定とは大幅に異なっていたために、2019年度に追加調査を実施することになった。2019年度の調査データの分析と整理および確認作業のために、2020年度まで研究期間を延長する必要が生じた。
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