研究課題/領域番号 |
17K04701
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
横田 和子 目白大学, 人間学部, 専任講師 (80434249)
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研究分担者 |
丸山 英樹 上智大学, グローバル教育センター, 准教授 (10353377)
山西 優二 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50210498)
佐藤 仁美 目白大学, 人間学部, 専任講師 (70584291)
小関 一也 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (80267434)
岩坂 泰子 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80636449)
林 加奈子 桜美林大学, 心理・教育学系, 講師 (90458737)
山中 信幸 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90758533)
南雲 勇多 東日本国際大学, 経済経営学部, 特任講師 (00781543)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 市民性 / 移民・難民 / 当事者性 / 国際理解教育 / 身体性 / 教材 / 情動・情念 / アート |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、「きれいごと」「他人事」を乗り越えること、当事者性のある学び、身体性にねざす学びをキーワードに検討を継続した。その中で、「情念」や「情動」という教育学では扱いづらいキーワードにこそ着目した教材作りができないかということで検討を進めた。また、3名がポーランドで、1名がルワンダでNGO等の訪問調査を行った。内戦から20年が経ったルワンダ、あるいはホロコーストや第二次世界大戦の記憶の残るポーランドで、実際に使用されている教材について情報収集を行うことができた。例えばポーランドでは難民危機以来、NGO等は財政的にも困難な状況に置かれており、ヨーロッパの多くの国々同様、市民の間で分断が進んでいる。しかしだからこそ対話が必要ということで、教師用のマニュアルや教室内での対話のための工夫、またアートやドラマ、映画を媒介に市民の間の対話を促す実践などについて知見を得た。また、ポーランドにせよルワンダにせよ、こうした課題に取り組む人々は、過去の苦い経験をこれからの移民・難民との共生に生かしていきたいという使命感に動かされている。日本も同様に過去の経験から学ぶための教材の工夫が必要であることを痛感した。 オープンな議論のために日本国際理解教育学会実践研究委員会の枠組みで5回の公開研究会を実施した。また研究経過報告としてはドラマワークとアートワークを用いた実践を、ネガティブ・ケイパビリティの必要性からまとめ、日本国際理解教育学会大会で報告した。また、中田豊一氏考案の対話技法であるメタ・ファシリテーションを用いたリフレクションの探求を軸に、その成果と課題をヴィゴツキーの情動理論と絡めて言語文化教育研究学会で報告した。最終年は日本国際理解教育学会大会でこれまでの成果を報告し、教材を公開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学校での実践のための調整に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も前半で2回の公開研究会を行うほか、メンバー内で研究会を数回持ち、成果のまとめに向けて研究を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
教材作成・報告書作成のための経費が当初見込んでいた額より必要であると判断したため。
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