研究課題/領域番号 |
17K04720
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研究機関 | 京都華頂大学 |
研究代表者 |
松浦 真理 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (10352923)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 親関与 / 自発性 / ケアからウェルフェアへ |
研究実績の概要 |
今年度は勤務先の大学研究紀要第62号において「オランダの就学善教育における親関与の動向」を掲載した。オランダにおける教育への親参加は、教育制度の根幹にかかわる事項として百年以上の間権利として尊重され行使されてきたが、就学前教育、中でも保育に関してはその法整備がこの10年程度の歴史しかない中で、教育制度に準じて制度化されてきた。とはいえ、その参加の仕方や今日的課題に対処するための親参加の在り方という点では多くの余地を残している。 子どもへの親のかかわり(parenting)が重要であることは世界共通の認識となっている中で、米英に近い就学前教育のスタンス、すなわち学校準備型のスタンスをとるオランダでは、就学までの子どもの問題を予防する意味で親のかかわりが重視されている。ターゲットとなる親の多くは社会経済的、あるいは文化的に困難な状況にある親であり、民間団体や地方行政が連携しながら、親がより具体的に問題を把握できるような提案やICTを用いた取り組みをはじめているところである。「問題」を「矯正、治療」するというアプローチではなく、親自身の気づきと自尊心の向上を目指した取り組みをしようとしている。 教育機関と行政と家庭が、何を目的として、どのような内容と手順で、教育への親参加・関与を高めていくかについては、さらに多くの国の先例も参照しながら、類型化していく必要があり、オランダをどこに位置づけ、また日本にどのような示唆を得られるかには、さらなる文献調査と実地検証が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
申請許可年度(昨年度)から勤務先での立場が変化したことにより、新たな役割への適応に時間がかかり、さらに、教職関連の学生支援の作業量が前年度の数倍になったことに伴い、学内行政業務内容及び教育関連業務量が格段に増加したため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、研究の基盤となる理論的枠組みを構築したうえで今年度は実証研究をスタートさセル予定であったが、上記理由のため、オランダの最新の動向を追うことと、理論的枠組み情報を収集、整理するにとどまっってしまった。そこで、今年度は、研究の手順にこだわらず、理論枠組みの構築に向けてさらに文献研究をすすめつつ、オランダの動向を実地研究をはじめながら進めていくという並行的な研究手順を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請許可年度(昨年度)から勤務先での立場が変化したことにより、研究に割く時間が予想以上に少なくなったことが使用額が当初よりも大幅に少なくなった理由である。また、実績については、学内の紀要に挙げたために、製本業務にかかる費用がなくなったことも使用額が好くなった理由である。 次年度は、研究実績概要の入力部分で記載したように、文献による理論構築研究と実証研究の第1段階を並行して進めるために、前年度の繰り越し金額も使い切る予定である。
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