研究課題/領域番号 |
17K04744
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
河内 昭浩 群馬大学, 教育学部, 准教授 (10625172)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 国語科教育学 / 語彙データベース / 教科書 |
研究実績の概要 |
小学校中学年児童対象の全教科の教科書の語彙のデータベースを作成した。その成果を論文として、①「小学校国語科における語彙指導―児童図書の言葉・教科書の言葉―」(『初等教育資料』2019年5月号No,980,東洋館出版社(依頼),66-69頁.)に公表した。また学会発表として、②「小学校各教科に資する国語科学習語彙の研究―中学年理科・社会を中心に―」(日本教科教育学会第45回全国大会,愛知教育大学,『日本教科教育学会全国大会論文集』118-119頁,2019年10月13日.)に公表した。特に論文①においては、本研究の基本的な考え方である、学校教育において必要な語彙とその外側にある児童文化の中で出合う語彙を関連付ける必要性を述べた。現在は小学校高学年児童対象の全教科の語彙のデータベースを営為作成中である。 こうした小学校教科書の本格的なデータベースは、かつて研究者自身も参画した国立国語研究所作成の『現代日本語書き言葉均衡コーパス』以来行われていない。また先のコーパスには、児童図書等主に児童を対象とした読み物は含まれておらず、研究成果の意義は高いと考えている。 またこうした研究の成果を基盤として、③『小学新国語辞典三訂版』(光村教育図書,2019年12月)④『小学新漢字辞典三訂版』(前同)に編集協力及び執筆者として参画した。また、⑤2020年度使用の小学校国語科教科書『ひろがる言葉 小学国語1~6年』においても、主に語彙指導部分の担当者として、執筆者として参画した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データベース作成の作業に多くの時間を費やしてしまっているため。平仮名を多用している小学校中学年までの教科書では、システムによる形態素解析における誤解析が多い。その誤解析を目視で修正する作業に多くの時間を費やしてしまっている。高学年ではその作業量は軽減している。
|
今後の研究の推進方策 |
中高学年用の児童図書の語彙データベースを作成し、これまでに作成した低学年用の児童図書の語彙データベースを結合させる。加えて、教科書全学年の語彙データベースとの対照表を作成し、語彙指導の課題を明らかにするとともに、指導すべき語彙の提示を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
作成中の小学校高学年教科書の入力が遅れ、経費依頼が次年度になってしまったため。また、その他の児童図書の語彙データベースのための諸費用経費がまだのため。
|