研究課題
本研究は、美術教育におけるアート的身体(身体性の重視)に関する理論構築を目的とし、実践とその省察を通じて理論研究を深めてきた。アート的身体論とは「世界に対話的であろうとする志向/行為」に基づき、感性/コミュニケーション/テキスト/思考などを活用するアート(技芸)によって探究に向かう学び論である。この考えに基づき、身体に根ざした表現活動を軸に多様な学びの場づくりに従事してきた。中之条ビエンナーレ2021における町民アートプロジェクトでは、「中之条芸術大学」(群馬大学美術教育講座主催)を立ち上げ、地域の教員養成大学ならではの視点からラーニングプロジェクトを展開した。中でも、「まなび±アート」×研究ーみんなの自由研究」では、卒業研究に関する発表において「なかんじょ(中之条)になってみる?」というワークショップ(ファシリテーター:学部4年岩田龍真)を行った。そこでは想像/創造的な身体性に基づく活動が展開し、アート的身体の具現化とその生成における要素を分析・考察することができた。(第44回美術科教育学会東京大会にて口頭発表)大学授業「コミュニティ学習ワークショップ」では、ダンサー(コンドルズとハンドルズ=障害のあるダンサー)を招聘し、学生及び群馬大学共同教育学部附属特別支援学校の児童・生徒とのダンスワークショップの機会を設け、幅広く「アート的身体」のありようを考察する中で、美術(アート)教育に還元していく要素を見出すことができた。特に、身体表現として即興的にイメージを出力・交流することは、動きを通じて共に楽しむ中でさらなるイメージが喚起され、学びの場が活性化することから、造形表現以前のイメージの広がり(拓かれた身体)を保障する際に有効な手立てとして位置づけられる。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 2件) 学会発表 (19件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)
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アートベース・リサーチがひらく教育の実践と理論(ABRから始まる探究(1)) 高等教育編学術研究出版
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