平成31年度は国語科教育におけるビジュアル・リテラシー育成の研究として、タブレット端末を活用した映像制作の教材開発と授業実践方略を完成することができた。 A文献研究及び国内外の視察研究 国内外の視察研究では、IB機構主催の5月にプラハでのDP「文学」と7月に神戸でのDP「言語と文学」のワークショップを受講し、概念理解カリキュラムの重要性についての知見を得た。10月のバンコク視察ではNISTの大倉教諭のMYP「言語と文学」の授業から、ホラー映画の分析方略と創作活動の導入を学んだ。2020年1月は早稲田大学で行われたでNPO独立映画「鍋」主催の講座で、教育における映画の可能性について、フランスの映画教育の実践例やぐんま国際アカデミーでの小田浩之教諭の実践から学んだ。 B「見ること」のカリキュラムおよび教材の開発 8月の国語科免許更新講習では小中高と多岐にわたる現職教員を対象に、タブレット端末を活用したワークショップを開催した。「ごんぎつね」「山椒魚」の場面を描いた絵カードの写真素材で構成する動画と作品の一場面の朗読の録音から、映画予告編の制作を行った。同月、メディア・リテラシー公開講座で、「ごんぎつね」の予告編を制作するワークショップを開催した、これらの実践から短編の映画予告編制作の方略が確定した。10月にはICUの日本語教育の教材として、メディア・リテラシーのワークショップ作成の依頼を受けた。プリクラ写真の自己の表彰分析についての授業を開発した。12月、中等国語科教育法Ⅳの授業において物語、説明文の主題を描く映像制作の授業を行った。また、2019年3月に開発した編集素材の動画を活用した授業を行い、教材の有効性を検証した。以上、2つの教材開発と動画制作指導の方略が確立したことが大きな成果である。ただし、発達段階に応じた調査活動とカリキュラム開発を今後の課題としている
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