主権者の育成を目指した本研究は,法的推論,プロジェクト型学習,熟議を活用して,社会的な問題を自らの問題として子どもたちが思考することができる学習理論開発と実証研究を行った。その結果,法的推論は法的な判断を基準として将来どのような社会を構築するのかを判断できる方法として有用性があった。さらに,プロジェクト型学習では,子どもが学びのプロセスを見通すことができ通時的な視点の育成に寄与した。熟議は,社会問題に対する子ども固有の価値観と,社会的価値や他者の価値観を比較検証する学びを展開することができた。このような学習方法は,議論が苦手であるとされる子どもたちへの主権者教育に対応できるものである。
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