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2020 年度 実施状況報告書

証明をツールとした数学的探究を促進する累積的な授業のデザイン

研究課題

研究課題/領域番号 17K04764
研究機関信州大学

研究代表者

茅野 公穗  信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20400658)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード中学校数学 / 証明 / 授業デザイン
研究実績の概要

本年度は,証明をツールとした数学的探究を実現するための累積的な授業のデザインに関して,以下2点の成果を得た。
●授業デザインのための原理・原則(暫定版)の吟味
これまで改良を加えつつ得ている授業デザインのための5つの原理・原則,(1)状況を厳密な表現を用いずに表し,証明を基に状況を明確にしたり,新たな状況を生み出したりすることができる余地がある課題を用いること,(2)探究者自身が素朴な証明を構成する機会を設定すること,(3)その素朴な証明の構成要素を教師の導きの下で生徒が顕在化する機会を設定すること,(4)証明する動機・目的に照らして証明を評価・改善する機会を初期から設定すること,(5)事柄と証明の関係,あるいは証明の役割についての探究者の認識を深めること,について,データに基づきその必然性や内容を精査した。
●授業デザインおよび授業実施
証明をツールとした数学的探究を実現するため,中学校第2学年での小単元「平行線と線分の比についての性質」について,授業ごとの学習指導の重点を含めて小単元の構成を再構成し,コロナ禍における制約を受けつつも学習指導を具体化した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究協力者の人事異動に伴い,授業の実施・データの収集を,当初計画から1年延ばして実施することとしていた。しかし,コロナ禍において学校での教育活動を優先するために,その計画の大幅な縮小を余儀なくされた。そこで,さらに期間を延長し,補助事業の目的をより精緻に達成することにした。

今後の研究の推進方策

引き続き,証明をツールとした数学的探究を実現するための授業のデザインを行う。累積性を担保することは叶わないが,授業デザインに基づく授業を新型コロナウイルス感染症の感染状況に鑑みつつ実施し,ビデオ記録や記述物の複写等のデータ収集及びデータの質的な分析を通して,授業デザインの改善点を特定する。さらに,意図した活動をよりよく実現するために,授業デザイン改善の一環として,授業デザインのための原理・原則を適宜修正する。授業デザインに基づく授業がコロナ禍によって実施できないときには,意図した活動をよりよく実現するために,本研究目的以外で得ているデータとの照合によって授業デザインを吟味し,改善点を特定する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)主として,コロナ禍において国内外学会が延期あるいはオンライン開催等に変更されたため旅費が不要となり,次年度使用額が生じることとなった。
(使用計画)対面による学会開催が再開された際には,日本の学習環境等に特化した情報収集を充実するために,国内学会への参加旅費に使用する。その際,授業を実施していただく研究協力者の教諭を含めて対面による情報収集・意見交換を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 数学教育の内容・活動に固有な非認知的スキルに対する教師による評価: 中学校数学における「探究的証明」に関する調査結果の考察2020

    • 著者名/発表者名
      宮崎樹夫,茅野公穂,中川裕之,吉川厚,清水静海,岩永恭雄
    • 雑誌名

      日本数学教育学会 第8回春期研究大会論文集

      巻: ー ページ: 271-276

  • [図書] 新・教職課程演習 第13巻 初等算数科教育2021

    • 著者名/発表者名
      蒔苗直道・松浦武人
    • 総ページ数
      201
    • 出版者
      協同出版株式会社
    • ISBN
      9784319003549
  • [図書] 新しい算数教育の理論と実践2021

    • 著者名/発表者名
      溝口達也
    • 総ページ数
      251
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623091072

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公開日: 2021-12-27  

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