研究課題/領域番号 |
17K04769
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
森 勇示 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90345942)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 子どもの体力 / 走力 / 投力 / アクティビティ |
研究実績の概要 |
子どもの体力低下の問題を受け、体力向上策として紹介される取組は、「なぜ学校に普及し影響を及ぼさないのか。」を中心的な問題に設定した。本研究では子どもの体力のうち走力と投力に注目し、これらを向上させる運動について、多くの学校に普及し影響を及ぼすために「アクティビティ」という視点で汎用的なプログラムを開発することを目的とした。本年度は以下の3つの事業に取り組んだ。 ①アクティビティとして、走力向上のアクティビティ「変形ダッシュ」「簡易リレー」、投力向上のアクティビティ「シャトル投げ上げゲーム」「ソフトハンドボール投げゲーム」「お手玉ボックス押しゲーム」を創案した。 ②研究協力校での試行的実践として小学校16校で4年生を対象にアクティビティを実施した。各校では1時間の体育授業として計画してもらい研究代表者の進行のもとに子どもたちは取り組んだ。 ③実施後のアンケートを子どもと参観者(現職教師)から収集した。 本研究の意義は2つある。1つは計画したアクティビティがどの協力校でもすべて計画通り実施できたこと。これは学校における汎用的なプログラムになるように企図した「複雑さの軽減」を実現している。もう1つは、プログラムに取り組んだ子どもの感想に否定的なコメントが無かった点である。これら2つの意義から、本研究で考案した体力向上の「アクティビティ」は学校における普及が期待できるとともに、実際に取り組む子どもたちに肯定的に受け容れられる可能性を有する点で重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は愛知県内の研究協力校16校で小学校4年生の児童を対象に試行的にプログラムを実践した。 実施後の感想を子どもと教師から収集した結果、子どもからの否定的なコメントはなかった。教師からのコメントでは「学校の施設・用具の条件によっては工夫が必要」との改善課題を得た。具体的な改善課題は、走力向上のアクティビティでは、室内外を問わない走路の確保と参加人数による効率化が課題であり、投力のアクティビティでは体育館の規模や構造条件により補助用具が必要になることが分かった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の試行的実践は研究協力校の配慮により、1時間の体育授業として取り組むことができたが、次年度はどのような学校でも手軽にできるよう、計画性のない休み時間や単発的な行事の中でもできるかどうかを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)試行的実践のため研究協力校の施設規模・児童数に応じて使用機器の数を抑制したため。メール・電話によって研究協力校との打合せ回数が計画時より少なく済んだため。 (使用計画)H29年度繰越金はH30年度の物品費、旅費、人件費・謝金、その他に加えて使用する予定。
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