子どもの「走力」「投力」を向上させる汎用的なプログラムの開発を目的として、これまで愛知県内の小学校で実践と修正を重ねてきた。その対象を小学校19校(23学級)で実践した。 「走力」目的のプログラムとして「変形ダッシュ」「面白レース」「面白リレー」と「投力」目的のプログラムとして「紙鉄砲課題」「シャトル投げチャレンジ」「ボックス押しゲーム」の6種類を考案し、小学1年生から6年生までの子どもを対象に試行的に実践した。複数学年の取組において各プログラムを修正する中で、学年や子どもに応じた運動のサイズ調整や行い方を諮り、プログラムの適切な条件を探った。 その結果「変形ダッシュ」「面白レース」では5~10m、「面白リレー」は1人の走行距離が7~15mの範囲が適切だと分かった。また、「紙鉄砲課題」では投動作の望ましいステップが紙質(固さ)と大きさにより調整可能、「シャトル投げチャレンジ」では望ましい肘起動が投擲目標の高さにより調査可能になることが分かった。そして、これらのプログラム実施後の「ボックス押しゲーム」が力投・多投の機会になり投動作の習熟に向かうことが確認された。 加えて、これら「プログラムが受容されるかどうか」を子ども及び教師に質問調査したところ、肯定的な回答は96%で否定的な回答はゼロだった。またプログラムの汎用性について教師からコメント収集したところ「すぐにでも実践可能」「準備が簡単」「どの教師にもできる」との意見をもらった。 そのため、本研究で開発された子どもの「走力」「投力」を高めるためのプログラムは体育授業はもとより、学校体育の中で汎用性のあるアクティビティとして機能するものとなった。
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