研究課題/領域番号 |
17K04775
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
真野 祐輔 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10585433)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アーギュメンテーション / 証明 / 数学教育 |
研究実績の概要 |
本研究全体の目的は,アーギュメンテーション構造という視点から,数学の単元構成と授業過程の間にある一貫性を明らかにするための分析方法を確立することである。平成30年度の主な研究活動計画は,外国人研究者を招聘した国際研究集会の開催であった。この研究計画に基づき,平成31年3月にドイツ・ブレーメン大学から研究者1名を招聘し,国際研究集会(研究セミナー,講演会,ワークショップ)を開催した。研究セミナーでは,日本人研究者による7件の発表があり,研究代表者(真野)は本科件の研究課題に関わる研究発表を行った。講演会では,招聘研究者より「数学的証明の指導と学習:国際的な観点から」と題して講演を賜ることができた。またワークショップでは,若手研究者を中心とした参加者を対象として,授業分析手法としてのアーギュメンテーション分析に関する講義と,実際の授業のデータを用いた演習を行なった。アーギュメンテーション分析という手法は,トゥールミンモデルという枠組みに基づく授業分析手法であり,数学教育学の国際的な研究者コミュニティの中でも広く知られているものである。今回の招聘研究者(D. Reid氏)は,この分野の研究をリードする第一線の研究者である。また,研究代表者(真野)が平成30年度に国際会議で研究発表を行った論文でもこの分析手法を用いており,本科研と研究課題と関連が強い研究方法論である。この度の国際研究集会の開催を通して,「分析手法の確立」という本科研の目的を達成するための研究活動を大きく前進させることができたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度の主な研究活動及び研究成果は,国際研究集会の開催による研究方法論(アーギュメンテーション分析の手法)の確立であった。この成果は,当初の研究計画に概ね合致するものであり,また国内外の学会や国際研究集会などで成果発表を行なっていることから,「概ね順調に進展している」と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,これまでの研究活動および研究成果を総括し,国内外のジャーナルに論文投稿を行うなど,成果発信を行なっていく。また,平成30年度の国際研究集会の開催を契機として国際共同研究を含めた研究活動の国際化をさらに推進することにより,本研究課題を充実・発展させていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画では,平成30年度は海外研究者2名を招聘する予定であったが,先方との連絡調整の結果,1名のみを招聘したこと,また招聘に伴う旅費等も当初の見込んでいた支出よりも低額に抑えることができたことが,次年度使用額が生じた理由である。
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