研究課題/領域番号 |
17K04778
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大和 知史 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (80370005)
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研究分担者 |
磯田 貴道 立命館大学, 文学部, 准教授 (70397909)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | プロソディ / 教員養成 / 活動 / タスク / カリキュラム / 研修プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、英語プロソディの指導に関して、中等教育における効果的な教員研修および教員養成プログラムを開発し、提供するものである。この為に、1)既に開発を行ったプロソディ指導の指針とタスク集の整理、2)音声指導に関する理念や心理言語学的見地の整理、の2 点に関しての文献精査を行い、指導項目の精選・指導方法(タスク・活動)の整備に基づいた研修プログラムを開発する。開発したプログラムを中等教育に従事する現職教員を対象に試行し、教員からフィードバックを得た上で改善を施し、最終的にはプロソディの指導のための教員研修(養成)プログラムの公開を予定している。 平成29年度には,以前の取り組みであるプロソディ指導内容や指導実例を開発してきたものに加え、研修プログラムとして発展させるために、文献精査を中心として、音声研究や第二言語習得研究のみならず、心理言語学研究、英語教育研究、教育学研究などの先行研究を多角的に捉え、プログラム開発の基盤の構築を行ってきた。 平成30年度は、引き続き,指導の指針策定の背景理論の整理を行う必要が生じたため、そちらを優先することとした。背景理論の整理においては、プロソディ指導のミニマムエッセンシャルズを選定する際に、「取り扱わない」要素や項目には何があるのか、そしてその理由は何かを十分に説明することとし、プロソディ指導の指針の策定とプログラム開発が恣意的に行われるものではないことを示すことができた。 今後の予定としては、研修プログラムの試行を行い、フィードバックを元に、問題点・課題点を確認を行う。同時に、研修を受けた教員がどのようにそれぞれの教授現場に変化をもたらしたかを観察や聞き取りなどを行って効果検証を行う。また、短期的研修プログラムとしてワークショップ等を開催し、同様にフィードバックを得る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ここまでの活動やタスク案の作成については,概ね順調に進められたが,中等教育学校での実践については,先方の担当者との打ち合わせの中で,授業計画・学校行事などにうまくフィットするように指導計画やタスク配列などを検討してきたため,結果として実践の開始が遅くなってしまった。 また、プロソディ指導の指針において、音声学的視点に立つと扱いがなされなかった項目において、その取捨選択の理念や背景について十分な説明を行うこととした。それによって,より慎重に指導計画を立てることができ、指導実践協力者である中等教育学校の担当者自身のプロソディへの理解の深まりを促すことができると考える。それによって、授業の観察・学習者へのアンケート実施などを合わせることで、着実な進展を見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度(令和元年度)については,これまでに実践を協力していただいた中等教育学校において,4年生(高校1年生相当)への指導実践を行う予定である。この生徒に対しては,これまでに経年での指導が実現しており,タスクや指導への反応,またダイアログ等の読み上げタスクなどから実際の音声的向上の確認などを行うことが可能である。また,同時に,担当教員に対する研修や,どのように内容を取り上げるべきなのかという課題を調整して行うことが可能である。その実践を通して扱った活動やタスクについては,ここまでのものをタスク集として公表するべく,とりまとめを行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:指導実践の開始時期が想定していたよりも半期遅れたため。 使用計画:指導実践自体は進行しており,意見聴取や指導実践に伴う謝金等の発生は平成31年度(令和元年度)での支出が見込まれており,今回の使用額の際は解消されていると考えている。
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