研究課題/領域番号 |
17K04789
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宮本 浩治 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (30583207)
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研究分担者 |
難波 博孝 広島大学, 教育学研究科, 教授 (30244536)
青山 之典 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (00707945)
吉川 芳則 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (70432581)
幸坂 健太郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20735253)
篠崎 祐介 玉川大学, 文学部, 助教 (60759992)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高等学校国語科 / 論理論証教育 / 実践モデルの整理・分類 / 単元開発の構想 / 主体形成 |
研究実績の概要 |
平成30年度の研究計画としては,目標と方法を系統化したカリキュラム開発を行い,その一部を志向して評価し,修正していくことにより,精度の高い論理論証教育のカリキュラムと授業実践モデルの開発に取り組むことであった。とりわけ,「思考の過程を適切に評価する」活動の位置付けについての検討を行い,実効性の高い活動モデルの構築を目指したが,この点について,有効な指標を作成することができた。事実として,授業の中で学習者をいかなる立場に立たせることができるのかを指標として,既習事項と未習事項を連関させていくようなプロセスと,未習事項の「わからない」をひっかりにした授業構築モデルの構築を行うことができた。しかも,論理に着目させていく際の,学習デザインのあり方についてのモデルを発見することができたことも大きな成果であった。しかしながら,学習者は,読者として論理自体を捉えるのではなく,表現者として論理を捉えることが求められているという事実を発見することができた。この点は,これまでの研究では明確化されていない部分であり,論理論証教育における評価指標の作成,あるいは学力形成過程を明らかにするための視座としては新しい発見でもあった。学習者の主体形成の側面からの分析が必要となったたという課題を発見することができた。こうした新しい課題を発見することができた点は意味があり,次年度に向けた課題設定ができたことは有益であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度の研究計画の中で,実践モデルに基づいた授業を施行すること,評価することが挙げられているが,具体の授業実践を構想し,実験的な実践を開発し,施行できたことは評価に価する。また,実践された授業をもとにしてモデルの検討がなされたこと,そして,学習者の<思考の過程を適切に評価する>ための指標と実践方法についての知見を得られたことは特筆すべきことであると言えよう。また,主体形成という側面からの課題が明らかになったことは次年度に向けた大きな成果であると位置付けることができる。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,30年度に新たに明確化された課題を検討するとともに,当初の予定通り,論理論証教育のカリキュラムを実行可能なものにするための実践プランの策定,及び評価とともに,改善を行い,授業モデルと評価モデル抽出していく。また,学会での成果発表を行うとともに,成果を冊子等にまとめ,広く教育関係者に配布していくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画とは異なり,研究遂行上,実験授業等の実施計画が多く存在し,研究旅費の支出が増えることが予想された。同時に,研究期間の都合上,早期の実施と検討が望まれたこともあり,他府県での実施を余儀なくされることが想定されたこともあり,前倒し支払い請求をお願いすることになっただ,研究計画,実験授業計画の見直しもあり,研究旅費の支出が予想よりも少なくなったため。
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