研究課題/領域番号 |
17K04793
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石井 由理 山口大学, 教育学部, 教授 (70304467)
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研究分担者 |
福田 隆眞 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (00142761)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 国民文化 / アジアの芸術教育 / 学校教育 / 国民アイデンティティ |
研究成果の概要 |
本研究では、アジア各国における国民文化形成におけるグローバル化と伝統文化の関係を明らかにした。音楽分野では、台湾、韓国、シンガポール、インドネシアにおけるカリキュラム分析とアンケート調査をとおして、学校教育では普遍的なものとして西洋音楽理論を学ぶ一方、独自の国民文化はそれぞれの歴史的、社会的背景によって異なり、若者の認識もまた各国で異なることが明らかになった。美術分野では、上記に加えてベトナム、マレーシア、中国を事例として、福田の唱える近代美術の四層構造(民族の伝統文化、西洋文化の影響、近代美術とデザインの国際様式、現代美術)に当てはめて分析し、各国におけるそれぞれの層の出現のあり方を示した。
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自由記述の分野 |
比較教育、教科教育
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グローバル化時代に対応した教育は多くの国で唱えられていることであるが、英語教育やICT教育が普遍的に必要なものとして共通理解される一方、グローバル化のもう一つの側面である独自文化の継承に関する各国の取り組みについては、教育内容や当事者の認識にまで踏み込んだ研究は乏しかった。本研究では、芸術教育に焦点を当てることによって、普遍的とされる西洋近代を取り込んだアジア各国が、何を国民文化とし、学校教育をとおしてどのように次世代に伝えようとしているのかを、一次資料に基づいて明らかにした。国民文化の捉え方には日本とは異なる選択肢が存在することを明確にした点に、本研究の学術的、社会的な意義がある。
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