研究課題/領域番号 |
17K04796
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
梅津 正美 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60284329)
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研究分担者 |
峯 明秀 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10379323)
加藤 寿朗 島根大学, 教育学部, 教授 (30274301)
南浦 涼介 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60598754)
中本 和彦 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (80513837)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 授業力評価スタンダード / 自己省察型ポートフォリオ / 協働的対話 / パフォーマンス課題 |
研究実績の概要 |
平成29年度の研究目的は、①韓国及び国内での社会科授業研究の動向調査を実施するとともに、②授業研究のフレームワークとなる社会科授業理論・実践検討フレームワークを開発し、③それに基づく授業研究を徳島県の中学校と大阪府の小学校において実施すること、そして④合同研究会の場でフレームワークの妥当性と研究1年次の成果と課題について明らかにすることである。 この目的に対して、①については韓国・光州教育大学校及びその附属小学校(平成29年11月23日~27日)と那覇市石嶺小学校、琉球大学教育学部附属小・中学校(平成30年2月27日~3月1日)において実施し、授業研究の推進にあたる教員に対し理論・実践課題・課題の克服の仕方を視点にインタビュー並びに実践記録等の資料収集を行った。②について社会科授業研究の先行研究の検討や実地調査の成果を踏まえ、協働的対話を原理とする授業研究の方法的フレームワークを構築した。フレームワークの柱立ては、「社会科授業力評価スタンダード(評価規準)」「パフォーマンス課題に基づく授業研究の遂行」「自己省察型ポートフォリオ」「協働的対話を通した授業力の省察と改善」である。そして、③このフレームワークに基づいて、徳島県中学校社会科教育研究会及び大阪教育大学附属平野小学校他大阪市内公立学校と連携した授業研究を推進した。④については、全国社会科教育学会第66回全国研究大会(広島大学)においてフォーラムを組織し、フレームワークに係る研究仮説の提案とともに、それに基づく授業研究の成果と課題について討論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究課題と目的に対して、①韓国及び那覇市での実地調査を実施できたこと、②授業力評価スタンダード、研究者と実践者の協働的対話を原理とする授業研究方法、自己省察型ポートフォリオを結びつけて「社会科授業理論・実践検討フレームワークを構築できたこと、③方法的フレームワークに基づく授業研究を、徳島県下中学校と大阪府下小学校において推進してきたことの理由により、研究が順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度には、第1に、徳島県における中学校チームと大阪府における小学校チームの授業研究を、平成29年度の第1クールの成果と課題を踏まえて、第2クールとして遂行する。そして、研究者と実践者の協働的対話を原理とする社会科授業研究フレームワークの有効性を量的・質的データに基づいて検証し、方法論を精緻化していく。第2に新しい授業研究方法論に基づく「社会科授業力向上研修支援プログラム」を開発する。 平成31年度には、神戸市の中学校と島根県の小学校において社会科授業力向上研修支援プログラムを実施するとともに、それらの成果と課題を踏まえてシンポジウムを開催し、協働的対話を原理とする、理論と実践の往還サイクルに基づく社会科授業研究方法論と、それを組み込んだ社会科授業力向上研修支援プログラムの暫定的提案を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者である峯明秀教授(大阪教育大学)に対して平成29年度分担金として200,000円を配分した。峯教授においては、20万円全額執行の予定で研究活動を遂行し、旅費及び物品費として分担金を執行した。しかし、物品の販売希望価格と大学納入実額等の差額等で、結果的に1,195円が残ることになった。 当該の残額は、峯教授の平成29年度分担金の残額として大阪教育大学にプールされ、次年度の分担金に加えられる。その使用は、大阪府における授業研究チームにおける研究遂行に係る物品費を計画している。
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