昨年度作成したガイドブック原案を小学校教員により確認してもらい、ガイドブックの見直し、修正を行った。小学校教員の多くが、木を伐って使うことは、森林破壊・環境破壊に繋がると考えている現状を踏まえ、最も伝えたい事項として、「木を伐って利用することは決して環境破壊に繋がらない。適切な木材利用を推進することは、むしろ地球温暖化防止や地域環境の保全に繋がる」という木材利用の意義を設定し、タイトルを「木を伐って使うということ」として、内容は以下の通りとした。ガイドブックは全23ページの構成とした。大きく4章で構成され、1.森林のはたらきと木材利用の意義(木の成長と二酸化炭素吸収、地球温暖化防止と樹木の役割、森林のはたらき日本の森林の現状、国産材利用の意義)、2.「木育」について(「木育」とは、「木育」が生まれた背景、木育の誕生とその後、小学校教育における「木育」、宮崎県内の公立小学校における「木育」)、3.授業モデル(モデル1【木に触れ,五感で感じる授業】、モデル2【木でものづくりを行う授業】、モデル3【木について深く知る授業】、その他の授業例)、4.資料編(木材の特性、宮崎県の森林、県産木材を利用することの重要性、宮崎における木育、宮崎県の木造施設、「木育」に関する宮崎県内での活動・取り組み、参考資料・図書)となっている。 今後は、小学校教員の研修会や教員免許状更新講習等において本ガイドブックを利用することにより、小学校あるいは幼稚園教員等の木育に関する意識昂揚に活用していきたい。 なお、実践授業に際しては、諸事情により実施ができなかった。しかしながら、本課題の研究とは少し離れるものの、幼稚園において、中学生が幼稚園児に、木材を用いたものづくりの支援を行うという木育に関する授業実践を実施し、中学生の幼稚園児と「関わる力」の育成に効果があることを確認した。
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