本研究の目的は、演奏楽曲を分析する訓練によって、音楽聴取の質が変わり得るかを実験的に検証することである。協力者は割り当てられた学習条件下で6か月の学習に取り組んだ。学習条件のひとつは、楽曲を適切に演奏できることを目指すもの、もうひとつは、前者に加えて楽曲の構造面に関わる分析を行うものである。学習の前後で実施された聴取テストでは、協力者は提示された楽曲について、考えたことを自由記述した。記述内容の分析によって、学習による聴取内容の変化を比較した。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大により、研究の中止を余儀なくされた。既に得たデータについては、将来の新たな研究に統合させ、研究成果として結実させたい。
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