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2020 年度 実施状況報告書

虚構世界との往還から自立と共生を目指す保育・教育プログラムの策定

研究課題

研究課題/領域番号 17K04808
研究機関福山市立大学

研究代表者

森 美智代  福山市立大学, 教育学部, 准教授 (00369779)

研究分担者 光本 弥生  広島修道大学, 人文学部, 教授 (80280155)
倉盛 美穂子  日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (90435355)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード保幼小接続 / 小学校入門期 / 環境構成 / 子ども理解
研究実績の概要

研究計画においては、今年度は、実際の保育・教育現場での保育・教育活動案の作成と実施を行いつつ、活動案の有効性を検証していく予定であった。しかし、COVID-19の影響で、保育・教育現場でのフィールド調査が困難となり、再度、理論研究の方向から、保幼小連携の具体的な可能性を探究することとした。
具体的には、小学校教育を中心に、国語教育の視点からモンテッソーリ・メソッドの有用性を考察し、関連する文献の調査と、保育・教育現場のエピソードデータ及び写真データを用いた分析から、自ら学ぶ子どもたちを育む環境構成のための要件を提出した。モンテッソーリ・メソッドにおいては、「教師は少し教えて多く観察する。」したがって、モンテッソーリ・メソッドとは、子どもたちが知性にめざめ、知を欲求することに根ざした実践理論であると言える。
そこで、まず、小学校1年生と4年生の子どもを「観察」し、収集したエピソードデータをもとに分析を行った。そこから、識字習得に困難があるが絵本が好きな男児と、授業中に「消しゴム落とし」をする子どもに焦点を当て、これらの子どもが「変わる」(「正常化する」モンテッソーリ)ためにはどのような教室環境を整えていけばいいのかについて考察を行った。具体的な要件として、以下の4点にまとめた。1)物理的な環境を見直し、整える、2)子どもを観察する、3)子どもの傾向の延長上に、活動(あるいはレッスン)を設定する、4)子どもが「済んだ!」と思うまで見守る

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の影響で、フィールド調査が中止となり、予定していた実際の保育・教育現場での保育・教育活動案の作成と実施と、活動案の有効性の検証が困難となった。そのため、研究計画を変更し、フィールド調査を次年度に延長することで、今年度は進捗が可能な理論研究を模索することとなった。
また、COVID-19下での保育・教育現場における子どもの実態調査として、デジタル機器を介したオンラインでの観察も模索中であるが、十分な成果を得るには至っていない。

今後の研究の推進方策

COVID-19が落ち着き次第、フィールド調査が進められるよう、フィールド調査先となる小学校及び保育所と連携をとり、共同研究としての具体的な年間計画を作成しつつある。年度が変わることで、教職員が異動したり、対象となる子どもたちのクラス編成に変更があったりするため、その調整から進めていく必要がある。
また、フィールド調査が困難であった場合の対応策として、デジタル機器を介したオンラインによる子どもの観察についても模索中である。しかし、カメラの場所やカメラの移動、偶発的な子どもの動きへの対応等において大きな課題がある。これについては、研究協力者である保育者・教員にデータを集めてもらうよう、データ収集の研修等を予定している。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響で、保育・教育現場に赴いての実態調査、観察調査が困難となり、研究計画の変更が余儀なくされた。今後、実地調査が難しい場合に備え、ビデオカメラを複数台準備することで、オンラインによる観察を模索していく予定である。
教室全体を網羅するビデオカメラに加え、研究協力者である保育者・教員が持ち運ぶ(身に付ける)、小型ビデオカメラを揃えることで、より多角的なオンラインによる観察を実現していく予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 論理学的視点からみた文学教育の目標論の探究―「可能世界」という理論的装置を手がかりとして―2021

    • 著者名/発表者名
      森 美智代
    • 雑誌名

      福山市立大学教育学部研究紀要

      巻: 9 ページ: 47-57

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 保育者志望学生に求められる専門的力量―実習指導経験のある保育者への調査を通じて―2021

    • 著者名/発表者名
      倉盛 美穂子 , 上山 瑠津子 , 光本 弥生 , 渡邉 眞依子
    • 雑誌名

      福山市立大学教育学部研究紀要

      巻: 9 ページ: 21-30

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 保育環境構成力の習得に向けたケースメソッド法を用いた授業実践ーICT活用の展開事例ー2021

    • 著者名/発表者名
      光本 弥生
    • 雑誌名

      広島修道大学教職課程年報修大フォーラム

      巻: 13 ページ: 29-36

  • [学会発表] 自ら学ぶ子どもを育む国語教室の環境構成―モンテッソーリ・メソッドを手がかりとして―2021

    • 著者名/発表者名
      森 美智代
    • 学会等名
      第5回初等教育カリキュラム学会
  • [図書] あなたとわたしの心理学 教養として心理学と出会う愉しみ2021

    • 著者名/発表者名
      羽野 ゆつ子・竹原 卓真編著
    • 総ページ数
      197
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      978-4779515576
  • [図書] ことばの授業づくりハンドブック 探求学習2020

    • 著者名/発表者名
      浜本 純逸監修・幸田 国広編著
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      溪水社
    • ISBN
      978-4-86327-510-2
  • [図書] 実践につながる教育心理学2020

    • 著者名/発表者名
      谷口 篤・豊田 弘司 編著
    • 総ページ数
      233
    • 出版者
      八千代出版
    • ISBN
      978-4842917788

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公開日: 2021-12-27  

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